2017年12月24日

議会活動報告 第63号(12月議会報告・教育問題) 2017年12月20日

●議会最終日の議会運営委員会で承認されず、実現しなかった緊急質問 


大根幼稚園と大根小学校の施設の一体化

本当の目的は他にあるのではないか? 


 この事案は、本年8月22日に政策会議において決定され、続く25日の8月定例教育委員会議に協議事項として提案され、非公開の会議で協議されたものである。その後10月17、18日に保護者向け説明会が実施され、10月下旬には自治会回覧による地域への情報提供が行われた。11月中旬には、幼稚園・小学校・教育委員会事務局・保護者代表などで構成される「施設一体化に関わる検討委員会」が設置され、協議が始まっている。

 政策会議付議事案書などによれば、施設の一体化の目的は、クラス数の減少に対して集団性を確保する等の教育的配慮にあるが(その費用は約1億1千万円と見積もられている)、12月議会の一般質問における議員の質問に対する答弁から、@幼稚園の隣接地に開発案件をもつ東海大学から10月31日に幼稚園用地を取得したい旨の意向が市に示されたこと、Aまた同時に、手狭になった消防署大根分署の移転先を探そうとしている市に対し、下大槻100-1にある東海大学国際友好会館の用地を提供する意向が示されたこと、が判明した。加えて古谷市長は、政策会議と教育委員会議の直後の8月26日に、自ら主宰する政治塾(丹沢志塾)の第1回公開講座の講師として、東海大学学長を招いている事実がある。これらの事実を考え合わせると、施設の一体化の本当の目的は、教育にあるのではなく、東海大学への協力と消防署大根分署の移転にあるのではないかとの疑いが出てくる。そもそも提携関係にある秦野市と東海大学の間において、数年前から東海大学の開発事業が予定され、すでにその用地が更地になっている土地に隣接している大根幼稚園の用地について、事前の打診がなく、いきなり10月31日に土地取得の要望が提出され、合わせて消防署大根分署の移転先として、東海大学国際友好会館の用地を提供する用意があることが提示されること自体が極めて不自然であり、常識的に考えれば、相当長い間、事前の下相談がなされていたと考えることが普通であろう。

また思えば、大根幼稚園と大根小学校の施設の一体化は、クラス数の減少に対して集団性を確保する等の教育的配慮のためとするが、すでに4学年が1クラスになっており、将来的には全学年が1クラスになることが確実な広畑小学校については、学校の統合や学校区の変更などについて、何らの検討もされていないことと比べると、大根幼稚園に対する処置がいかにも拙速である不自然さは否めない。またこの事案が教育の問題であるにもかかわらず、まず8月22日の政策会議で決定され、その後に25日の教育委員会議において、非公開で審議されたことも、不自然な経緯であると言わざるを得ない。

そこで議会としては、透明で民主的な手続きに基づく政治という観点から、この事案のさらなる審議を来年の3月議会に待って、大根小学校の外構工事の予算化など事態の進展を看過するのではなく、現時点において少なくとも次の質問を執行部に対して緊急におこない、その回答を市民に提示する必要があると考える。さもないと市政に対する市民の信用が地に落ち、議会も不信の目で見られることになるであろう。

(1)大根幼稚園と小学校の施設の一体化により生ずる跡地の処分等について、秦野市と東海大学の間で、いつから話し合いがなされたか。すなわち秦野市はこの施設一体化の件について、保護者・地元住民、そして議会に、虚偽または不十分な説明をしていないか。

(2)大根幼稚園の跡地処分について、現状を踏まえ、保護者・地元住民に対して、改めて説明会や、自治会組回覧をすべきと思うがどうか。

(3)直ちに市長の要請により、議会全員協議会を開き、大根幼稚園と小学校の施設の一体化、大根幼稚園の跡地処分、消防署大根分署の移転について、質疑を行うべきと思うがどうか。




●幼児教育無償化という国の政策に対する本市の対応を問う 


問 安倍首相が衆院選で公約した幼児教育の無償化(3〜5歳児)が実施されると、2年保育の本市の市立幼稚園から、3年保育の市内外の私立幼稚園や認定こども園に、幼児が移動するのではないかと思うがどうか。


答 その可能性は考える必要がある。確かに保育料が無償化されれば、保育料が安いという公立の優位性は失われる。しかし本市の市立幼稚園には、幼小中一貫教育の取り組みなど、失われない存在意義があると考えている。



問 無償化という大きな状況の変化の影響を見定めるまで、進行中の大根幼稚園と大根小学校の施設の一体化の事務は、一時凍結すべきではないか。


答 大根幼小一体化は、4歳児・5歳児とも1クラスになってしまった大根幼稚園の園児数の減少に対応して、教育の集団性を確保するために実施するものであり、将来は幼小中一体となった「義務教育学校」を設立することを見据えている。すでに政策会議や教育委員会議で決定したことであり、国の無償化の動きに関わらずに、現在の事務を進めていく。



問 消費税増税後に、無償化の対象となるのは、まだ幼稚園に入園していない0〜3歳児である。その保護者に対して、幼児教育無償化後、2年保育の公立幼稚園を選択する意向があるかどうか、アンケート調査をしてみたらどうか。


答 平成23年以来の議論を踏まえて今の計画がある。改めてアンケートをすることは考えていない。

意見 一度決めたことは変えないという行政の姿勢は間違っている。




●大根・鶴巻地区の小学校区 変更が急務!


問 大根幼小一体化が、4歳児・5歳児とも1クラスになってしまった大根幼稚園の園児数の減少に対応して、教育の集団性を確保するために実施するものならば、1、2、3、5学年が1クラス、4、6学年が2クラスになっている広畑小学校も、同じ理由でクラス数を増やすために、大根・鶴巻地区の小学校区を変更すべきと思うがどうか。ちなみに大根小学校は、全学年3クラス、鶴巻小学校は3学年が5クラス、他の学年は4クラスとなっている。


答 幼稚園と異なり、小中学校は単に教育のための施設であるだけでなく、地域の拠点でもあるため、児童・生徒数の規模の観点からだけで適正配置をすることは考えていない。通学距離、教育効果、学区を単位としたコミュニティーの形成等の観点から、少子化という背景の中で、全市的な課題としてとらえていきたい。



問 1学年1クラスの教育環境では、文科省の手引きによれば、満足な教育が行われないということではないのか。


答 文科省の手引きによると、1学年2ないし3クラスが理想的とのことである。しかし教育委員会の考え方は、小規模校はその特異性、優位性を活かして、小規模校ならではの特色ある教育を推進していくということであり、少人数になったからといって著しく学習に支障があるということはないと考えている。


意見 大根幼小の施設の一体化は、まさにこのことを理由として行われようとしている。本市の教育行政には二重基準がある。


●小学校の英語教育に具体的提案


問 学力向上の問題は、12月1日のタウンニュースに、来年1月の市長選挙で市長の対抗馬になる人物が意見広告を出した中で、算数の授業方法にまで言及するなど、重要な政治課題になってきた。私も「ひろはた自習相談室」という小中学生対象の補習教室を、退職教員などのボランティア仲間とともに、広畑ふれあいプラザで6年ほどやっており、主に算数・数学と英語を教えているが、学力の定着が不十分な子どもは確かにいると思う。特に英語を苦手とし、英語嫌いな中学生の存在が気になる。

学習指導要領の改訂により、再来年度から小学校5、6年生で教科としての英語が始まり、3、4年生で、今5、6年生がやっている外国語活動としての英語が始まることには、下手をすると英語嫌いを大量に生み出してしまうという危険性を感じる。また、このような英語教育実施による小学校教員の負担増が、算数・国語などの他の教科の学力定着に悪影響を及ぼすのではないかと不安になる。

 先般、大阪府吹田市に行政視察に行った際入手した資料から、本市の人口規模に換算すると、吹田市の外国語指導助手(ALT)の派遣事業等の事業費は、本市の年間2200万円に比べて800万円ほど多いことがわかった。吹田市並みに本市の英語教育予算を増額し、その使途としては、本市に縁の深い上智大学の言語教育研究センター長である吉田研作氏が主宰するJ-SHINE(小学校英語指導者認定協議会)が認定した英語指導助手を導入することを考えてみたらどうか。約900万円の予算で、全小学校の3〜6学年の全クラスに週1コマ、英語指導助手を派遣することができる。


答 J-SHINEの導入は教職員の負担軽減の観点から一つの選択肢ではある。ただ文科省は、小学校の英語教育はあくまでも学級担任が行うこととしているので、その位置づけは補佐的なものになる。本市の英語指導助手に対する予算措置は、近隣市に比べれば充実しているが、よく調査・研究してみたい。



●中学校完全給食の実施は不可避


問 このテーマも市長選挙の争点になりつつある。平成26年9月議会に、中学校完全給食実施を求める陳情が提出されて以来の議論を振り返ると、この事案のメリット・デメリットについて、4つのコンセンサスがあることがわかる。すなわちメリットとしては、@生徒の食育上の効果、A若年世帯の定住化促進の効果、デメリットとしては、B多額の費用がかかること、C現在15分しかかからない昼食時間が延長され、学校の日課が窮屈になること、である。そこでまず費用について聞くが、岐阜県可児市の給食センターの例をみると、民間資本を導入するPFI方式により、割安の費用で完全給食を実現している。本市の費用見積もりは過大ではないか。


答 平成26年11月時点で、近隣市の事例を参考に、各中学校に個別に給食施設をつくる自校方式では、建設費総額約33.6億円、年間の運営費約3.4億円、市内2カ所に給食センターをつくるセンター方式では、建設費総額約26.5億円、年間の運営費約3億円と見積もっている。それほど間違った数字ではないと考えている。


問 これまで市は、中学校完全給食の実施を中長期的な課題としてきたが、短期的課題と位置付け直し、積極的に検討したらどうか。


答 PFIによるセンター方式の前提としては、適切な用地確保が必要である。様々な観点から検討していきたい。


問 給食のメリット・デメリットの観点からすると、隣接した小学校と幼稚園において、幼稚園児が小学校に行って、毎日給食を食べることは直ちにできると思うがどうか。幼小の施設が一体化した上幼稚園では、園児も給食を食べている。


答 他の小学校でも、現在は年に数回、体験給食という形で実施されている。まずはその回数を増やすことを検討したい。


問 幼児教育の無償化から中学校完全給食の実施まで、教育に関し多岐に質問したが、市長の見解を問う。


答(市長) 今議会の一般質問では、17人中10人の議員から、中学校給食をはじめとする教育関係の質問を受ける。ご提案の件は、総合的によく整理して今後に生かしていきたい。



●「中学給食実現に意欲 秦野市長 選挙対策? 議会で表明」(神奈川新聞 12/8)

中学校完全給食については、私以外に4人の議員が質問に立ち、神奈川新聞は上記の見出しで、「これまで多額の費用がかかるなどと消極的だったが、市長選の対立候補が公約に掲げていることもあり、意欲を表明した。争点つぶしと評する議員もある」と報じた。



●みなみがおか幼稚園は公私連携幼保連携型認定こども園として民営化に望む

将来の園児の減少と高まる保育のニーズを見据えて、市立みなみがおか幼稚園は平成31年4月から、公私連携幼保連携型認定こども園に移行され、民営化されます。具体的には、定数100名の幼稚園機能と定数90名の保育園機能を併せ持った認定こども園になる予定です。秦野市から定期借地権方式で園地(約5500u)を借り受け、建物(延べ床面積約1500u、残存価格1.1億円)を無償譲渡される平塚市の社会福祉法人が、運営方針等について秦野市と協定を交わし、経営にあたります。特別な支援を必要とする園児に対する統合教育や、幼小中一貫教育といった市立幼稚園の教育方針は維持されます。現在のみなみがおか幼稚園の園児数は79名です。12月議会には、この建物譲渡の承認を求める議案が提出され、以下のような質疑をおこないました。


問 園地の賃貸料はいくらか。


答 年間350万円と考えている。


問 そうすると、

 350万円÷12か月÷5500u=53円/u・月

という計算になる。駐車場の車1台当たりの用地は20uというから、これを20倍すると、

 53円/u・月×20u=1060円/月

となる。園地の賃貸料は、近隣の駐車場の料金に比べて格段に安いということになる。建物を無償譲渡することと併せて、市民共有の財産の価値を低く見すぎていないか。


答 この条件で、やっと一法人が応募してくれたという経緯がある。


問 法人を公募した時には、この場所では園児が集まりにくく、経営は厳しいのではないかという状況があった。しかし現在は、国の幼児教育無償化の政策が出され、認定こども園に対するニーズは相当増えると思える。建物の譲渡は良しとしても、園地の賃貸料については、将来の交渉の余地を残しておくべきだと思うがどうか。


答 これまでこの条件で事務を進めてきた経緯があるので、それを変える考えはない。


意見 予期しなかった国の政策によって状況は大きく変わったのである。法人と交わす協定案の中に、「この協定に疑義が生じたとき又は変更を要するときは、甲乙協議のうえ定めるものとする」との条文がある。状況によってはこの条文を活用することを切に望む。



●衆議院選挙を傍観する


10月に行われた衆議院選挙を、私は傍観しました。安倍首相が述べた解散の理由に、何らの大義名分も認めなかったからです。もともと私は、尊敬する河野洋平先生の後継者ということで、自民党の牧島かれんさんを過去3回の選挙で応援してきました。しかし今回の選挙では、自分が納得していないことを、有権者の皆さんに訴えることはできませんでした。またさりとて手のひらを返すように、他の政党の候補者を応援する気にもなりませんでした。地方議員は、自分の政策を実現しようと思えば、政権与党の国会議員との間にパイプがあった方が有利です。しかし憲法改正が政治日程にのぼり、国の在り方が問われようとする時、それは小さなことです。今後の国会議員・県会議員の選挙については、私は一から考え直す気持ちでおります。

posted by 吉村慶一 at 22:58| 議会活動報告

2017年07月10日

議会活動報告 第60号(3・6月議会報告) 017年7月10日

●秦野市政に忖度(そんたく)は無用!

 3月17日の職員考査委員会で「文書による厳重注意」となった、表丹沢野外活動センターの現場管理者であるセンター主任は、平成28年中に、⑴二度にわたり、個人的に関係のある市外の団体の利用申し込みを市民に先んじて受理し、条例違反且つ市民の利用を阻害したこと、⑵職員服務規程に違反して、日ごとに出勤時に出勤簿に押印すべきところを、まとめて一か月分押印したり、欠勤したのに押印したこと、⑶職員の喫煙禁止の通知に反して、「吸いたい時は倉庫の裏に隠れて吸うように」と、喫煙を容認していたこと、を同センターの他の職員から文書で告発されている。これらのことは事実か。


 本人に確認したところ、事実である。


 重大な秩序破壊行為であるが、考査委員会で問題にされたのは、この内、タウンニュースに告発者の意見広告が載り、それをもとに私が3月議会で質問した、条例違反の申し込み受理一件のみである。他は不問に付されたわけだがその理由は何か。


 二件の条例違反の申し込み受理は一連のものとしてとらえ、他の件は所属長の注意により改善されたからである。


 文化会館や公民館の館長が同じことをしても、同様に処置するか。


 そういう場合もある。


 秦野市の歴史で、このような秩序破壊行為が行われたことがあるか。


 おそらくないと思う。


 告発書には、「一連の行為の背景には、(ンター主任が)個人的に古谷市長と懇意の中であることが大きいと思われる」との一文がある。このことは事実か。


(市長) ご質問の人物と私は、旧知の関係にある。


 この人物が、年度をまたいで、いまだにその職にある理由は何か。


(市長) 経歴、知識、経験等を踏まえた任用を行うように、普段から指示している。


●コンプライアンス(法令順守)よりトラブルの処理が優先なのか


 懲戒処分の職員を出した鶴巻の下水道工事と、これに関連して、同じ請負事業者の工事完成届の未提出が原因で、昨年度の事業なのに今年度予算の予備費で支払いをした南矢名の下水道工事の経過をみると、秦野市に全ての非があることになっている。市はコンプライアンスよりもトラブルの処理を優先したと思える。第三者委員会による調査が必要と思うがどうか。


 上下水道局長他は職員の懲戒処分が出た直後に、請負事業者から完成届を受け取る引き換えに、事業者の主張が書かれた「確認書」に署名して持ち帰った。この間の対応は両副市長も関与して、コンプライアンスに配慮して行った。この件は監査委員会にも報告したので、今後事情聴取の可能性もあると思う。第三者の調査委員会設置は考えていない。


意見 「確認書」には、「トラブルによる完成検査遅延の事実、請負業者が完成届を未提出のため、完成検査が受けられないという事実はない」「報道取材が発生した場合、請負事業者に迷惑、不誠実になる言動は行わない」などの記載があり、この文書にその場で署名するのは異常である。監査委員会の監査を見守るとともに、私自身も引き続き調査していきたい。


●職員の不祥事に対する処分確定


 昨年発覚した市職員の4つの不祥事、すなわち、@土地収用法違反行為(80数万円の損害)、A下水道の誤接続2(河川の汚染につながった)、B下水道事業債の過大借り入れ(17万円の損害)、C下水道使用料の徴収もれ(3500万円の損害)、に係った職員の処分はどのようになるか。


 @の件は、関係職員4名に対して、減給10分の1、一ヶ月間の処分。Aの内の曽屋地区の住宅の誤接続の件は、関係職員4名に対して、訓告または厳重注意の措置とした。Aの内の鶴巻地区の店舗の誤接続、B、Cについては今後処分を検討する。


(付記)その後414日付で、Aの内の鶴巻地区の誤接続の件は、関係職員3名に対して、訓告または厳重注意、Bの件は、関係職員4名に対して訓告または厳重注意の措置がとられた。Cの件については、関係職員を特定できないとの理由で、組織としての上下水道局に対して厳重注意の措置がとられた。なお、減給は地方公務員法上の懲戒処分であり、人事上の記録に残る。一方、訓告や厳重注意は、市の内規による措置(処分ではない)であり、人事上の記録には残らない。訓告は、勤勉手当が5(平均で2万円程度)カットされる。厳重注意は経済的損失を伴わない。また下水道使用料の徴収漏れの内、時効にかからず徴収可能な約1900万円については、現在、上下水道局職員により徴収業務が行われている。この業務は、対象となる下水道使用者に対して、一軒一軒訪問して説得するという、大変に手間のかかる業務になるが、もちろんこの業務に対しても給与は支払われる。


 下水道使用料の徴収もれについて、近隣のある市では、関係職員が自発的に寄付をして補填した例があるが、本市でもその可能性はないのか。


 その近隣市においては、徴収もれが確認された後にも、関係職員が適切な対応をしなかったために、時効により徴収できなくなった分が増えたという事情があり、その分を関係職員が寄付により補填した。本市においては、確認後、直ちに対応しているので、寄付による補填は行わない。


 地方自治法には、「議会による決算の認定(96)」と、「監査委員会の作成する決算審査意見書の議会への提出(233)」の規定が明記されている。下水道事業債の過大借り入れ(平成27年度分)は、平成287月、監査委員による平成27年度決算審査が行われる直前に発覚したにもかかわらず、その年の10月まで公表されなかった。このため監査委員と議会による平成27年度決算審査は、不十分な情報しかないまま行われたことになり、台無しにされた。地方自治法の規定に鑑み、執行部はこのことの重みをどうに考えているか。


 今後は適切な情報提供に努めたい。


意見 過大借り入れの不祥事は、10月の公表の直前まで、担当副市長にすら報告されず、上下水道局の内部で情報を抱え込んでしまった。不祥事の情報は一刻も早く執行部内で共有するというルールを徹底してほしい。


●外国語対応観光ボランティアを育成せよ


 政府は、東京五輪がある2020年の外国人旅行客4千万人(現在は2千400万人)、その消費額8兆円(一人当たり20万円)という観光ビジョンを持っている。その実現可能性は大きく、本市としてもいわゆるインバウンド(外国人旅行客の誘致)に真剣に取り組むべきと思うがどうか。


 「平成大山講プロジェクト」の一環として伊勢原市・厚木市とともに、観光案内のための多言語パンフレットの作成や、スマートフォンのアプリの開発、Wi−Fiスポットの整備を行った。また先日、神奈川県観光魅力創造協議会によって、蓑毛を対象にその魅力を外国人の視点から探るためのセミナーが実施されたが、座禅・そば打ちなどの体験、里山の風景、地元の方々のおもてなしが好評だった。一方、外国語による対応が不十分という課題も見えた。


 外国語対応の観光ボランティアを一定数(2~30人)育成したらどうか。


 今ある「観光ボランティアの会」は、本市の観光振興に大いに貢献しているが、外国語対応ができる会員はほとんどいない。外国語ができる観光ボランティアの存在は、インバウンド対策として不可欠なことと思うので検討したい。


意見 外国語に堪能な市民は大勢いて、すでに教育委員会が実施している英会話教育のプログラム(ロールプレイ授業)に協力しているグループもある。東京五輪を4年後にひかえたこの時期に、本市の観光振興と文化交流に寄与してほしいと募集すれば、相当数の人が応募してくると思う。またこのことに限らず、東京五輪に対しては、本市の市民が主体的に参加できるテーマと機会を行政は追及すべきである。


●青少年の居場所を確保せよ


 最近、東京都が実施した調査によると、高校生以上の青少年の多くは、居場所、すなわち行く場所や勉強する場所がないと感じており、図書館の自習スペースを広くしてほしいといった具体的要望も多いとのことである。本市にはそのための施設として「はだのこども館」があるが利用実績はどうか。


 はだのこども館の利用者は、年間約29千人、1日平均84人である。午前中は親子連れ、午後は小中学生、夜間は学習室を利用する中高生が多い。中高生の利用は1日平均19人である。


 はだのこども館の利用が多いことはわかったが、このような場は、本町地区だけでなく全市につくるべきだと思うがどうか。


 公民館等の施設を使って青少年の居場所をつくることは、ニーズがあり可能だと考えるので、関係部局と協議して検討したい。


意見 今、「午後5時以降は、利用予約のないものは立ち入ることができない」という表札が玄関にかかっている公民館がある。その外では寒い中、青少年が集まって、話をしている光景が見られる。公が居場所をつくらなければ、青少年は外食産業などに、お金を払って居場所をつくるほかなくなるだろう。




●個別の学習支援を必要とする児童・生徒の比率とその対応について


 平成28年度の全国学力テスト(中学生)の結果を分析すると、「基礎的・基本的な知識・技能が身についているかをみるA問題」36問に対して、平均正答数は22.6問である。私の考えでは、この平均正答数22.6問の半分(11)以下の正答数の生徒は、個別の学習支援を必要とすると思う。その比率は文科省の報告書に記載されているグラフから推計すると全体の10%強になる。教育委員会の認識はどのようか。


 数学のA問題にあった「−3(7)=」という問題(正答は−10)の正答率は91.8%だった。また学力テストで実施された質問紙調査(アンケート調査)にある、「授業の内容はよくわかるか」という問いに対し、NOと答えた生徒の比率が本市においては約6%だった。ここに課題があると認識している。


 これらの生徒に対する最も効果的な支援の方法は何だと思っているか。


 本市では、課題のある児童・生徒にきめ細かい支援を行うために、「教育指導助手(時間給の特定職員。教員を志望する人材等を採用。週22時間勤務。今は教育支援助手と呼ぶ。)61(内小学校に52)を配置している。


 本市には小学校が13校、中学校が9校あるが、配置された教育指導助手は一人で何名くらいの児童・生徒に対応できると考えているか。


 一対一の支援もあり、他の形態の支援もある。さまざまである。


意見 課題のある児童・生徒が10%とすると、小学4年から中学3年までで、約800名いることになる。教育指導助手の数は少なくとも今の2倍は必要ではないか。その場合に必要な経費は約5千万円である。


●児童ホームにおける学習支援について


 小学1年生から4年生の内、学校内にある児童ホームに在籍している児童が約1千人いる。中には夕方遅くまでいる児童もあるが、帰宅後の家族のふれあいの時間を考慮すれば、児童ホームにいる間に宿題や復習ができる環境整備が大切と思う。児童ホームに学習支援の仕組みをつくったらどうか。


 放課後児童ホームの事業は児童福祉法に基づき、保護者が就労により、昼間家にいない児童に、放課後、適切な遊びの場と生活の場を与え、子どもの状況や発達段階を踏まえながら、その健全な育成を図る事業である。本市は27の公立児童ホームを設置しているが、自由遊び・自習・絵本の読み聞かせ、外遊び・おやつなどのカリキュラムにより運営されている。宿題やドリルなどの自習に取り組んでいる児童もいる。学習支援を行う場合には、ボランティアにお願いすることになると思うが、支援のレベルの統一性・公平性の確保、活動中の事故対応などの課題が考えられる。保護者や放課後児童支援員の意見等を聞いた上で、調査・研究していきたい。


●福祉車両一台(タント)、広畑ふれあいプラザから貸し出し始まる

 秦野市社会福祉協議会は、外出の困難な方等の負担軽減のために、車イスのまま乗車でき、通院や買い物などのお出かけに利用できる車両の貸し出しを行っています。5月から、二台ある車両のうち一台の貸し出し場所が、保健福祉センターから広畑ふれあいプラザに移行されました。保健福祉センターは市の西部寄りにありますので、大根鶴巻地区の市民から、「一台は広畑ふれあいプラザに移せないか」との相談が私にありました。私がそのことを提案したところ、市では利用者のアンケート調査を実施し、東部地域にも大きなニーズありとの結果を得て、試行的に実施することになったものです。皆さんの積極的なご活用をお願いいたします。
posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告

2016年08月01日

議会活動報告 第56号 2016年8月1日号(6月議会報告)

2年前の秦野市版「舛添問題」

舛添東京都知事辞任の理由の一端になった、航空便ファーストクラス使用等の海外視察の問題は、他人事ではありません。秦野市でも、同様のことが起きようとしていました。


2年前秦野市では、国際友好都市であるアメリカ合衆国テキサス州パサデナ市に、市長他総勢9人の公務員と、2人の市民からなる訪問団を派遣する予算案が計上されました。この予算案では、公務員の航空便は全てビジネスクラスで、その旅費は総額で約900万円、一方同行する市民に対しては、一人あたりわずか2万円の補助金を給付することになっていました。私は代表質問でこのことを指摘し、「訪問団はエコノミークラスで行くべきであり、また公務員主体ではなく市民主体にし、2万円の補助を増額すべきである」と質問しました。この質問は、タウンニュースで大きく報じられたこともあり、市民の間に大きな議論を呼び起こしました。その後、いろいろな経過を経た結果として、パサデナ訪問団は市民主体のものになり、もちろんビジネスクラスを使うようなことにはなりませんでした。秦野市版「舛添問題」は発生することなく終わり、秦野市の政治に一定のチェック・アンド・バランスの機能が働いていることを示しました。


「地域未来塾」設立を期して、学習支援ボランティアの養成を

 閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」には、「経済的な理由や家庭の事情により、学習が遅れがちな子どもを支援するため、大学生や元教員等の地域住民の協力等による、原則無料の学習支援を行う地域未来塾を、平成31年度までに全中学校区の約半分にあたる5千か所に拡充し、高校生への支援も実施する」という項目がある。かねてからの私の提案について、国家レベルでもその必要性が認められたといえる。本市の考えを問う。


 子どもの個別支援は大きな課題の一つであり、コミュニティ・スクールの導入により学校支援の輪を広げていきたい。


 そのためには教育委員会が旗を振って、学習支援ボランティアの人材バンクをつくることが必要ではないか。


 学校と教育委員会の両方で知恵を出し、学校支援の実践的な仕組み作りを検討していきたい。


意見 全国学力テストの結果からは、正答率による子どもの分布を示すグラフにおいて、成績の良いグループと悪いグループの二つの山がある「フタコブラクダ」の状態がみられる。このことは、学習支援を必要とする、大勢の子どもがいることを示している。教育委員会がリーダーシップをふるって、この子ども達に対応できる絶対量を持った、学習支援ボランティアの人材バンクをつくることを切に望む。


広域的保育利用事業の可能性

 同じく「ニッポン一億総活躍プラン」には、子育て支援策の一つとして、市町村内に、保育園に入りやすい地域と入りにくい地域が存在する場合、入りにくい地域に送迎センターを設け、送迎バスとお迎えの保育士によって、子供の入りやすい地域の保育園に送迎する、「広域的保育利用事業」が提唱されている。本市では、西部地域において保育園に入りにくく、東部地域においては保育の定数に余裕がある状況だが、この事業の導入を検討したらどうか。


 この事業は、バスによる移動が子供に負担をかけることや、保護者と保育園の間の連携が希薄化することなどの問題点がある。この事業に対するニーズの把握とともに、先進地の状況をよく調査したい。


意見 バスの導入費用や、送迎のための保育士の人件費については、国が半額負担することになっている。少ない費用で4、50人の保育定数増と同じ効果を生む事業なので、よく研究してほしい。


あまりに不十分な地球環境対策


 閣議決定された「地球温暖化対策推進計画」においては、「市町村は、地域の自然的・社会的条件に応じて、積極的に地域における再生可能エネルギーの利用の促進に取り組むべきである」とあり、また「特にバイオマスエネルギーについては、資源調達から需要先の確保に至る多様な関係者の連携確保が課題となる。市町村はこうした連携確保の担い手となることが期待される。」とある。本市のように、年間40世帯にバイオマスストーブを設置してもらうことのみを、市としての目標にしているようでは、全く不十分と思うがどうか。


 身の丈に合った計画を立て、小さなことからコツコツと積み上げていきたい。


 それで十分と考えているのか・



 バイオマスの相対的な事業のうちの一つである。


意見 国の期待に比して、一世帯当たり10万円の補助を数十世帯に出して、「それで地球温暖化対策をやっています」というのでは、あまりに恥ずかしい。


建設関係国庫補助金の半減

28年度予算編成に際し、約25億円の国庫補助対象建設事業を計上して、約9.4億円の国庫補助金の交付を見込んだが、実際の内示は約5.2億円であった。約4.2億円も収入に穴があいたことになるがどう対処するか。


 どうしても今年度にやらなければならない事業を除いた、一部の事業を先送りして、予定していた事業費約25億円を約19億円に約6億円減額するとともに、一部を市の負担に振り替える。


 その金額は約2億円になると思う。このようなことは他市でも同様なのか。


 同様と聞いている。


 市長。他市と団結して、この埋め合わせを国に求めるべきだと思うがどうか。


 市長会の中でしっかりし検討していきたい。


国の新基準に従って、多子世帯・ひとり親世帯の児童ホーム保育料、ファミリーサポートセンター利用料を軽減せよ

 子ども子育て支援法施行令が改正され、その新基準に従って、多子世帯・ひとり親世帯を対象に、いわゆる小規模保育施設の保育料を減額するとのことだが、それならばその同じ基準を、児童ホームやファミリーサポートセンターにも適用すべきではないか。


 これらの事業は、それぞれ独自の減額基準を設けているが、国の新基準に合わせた対応ができるのか、他市の状況も確認し調査研究したい。


意見 小田原市では、ひとり親世帯のファミリーサポートセンターの利用料は半額である。これらの事業に、国より厳しい基準を設ける理由があるとは考えられない。


本庁舎耐震工事は騒音・振動が心配

 提出された補正予算をみると、本年9月に着工される本庁舎の耐震補強工事の工期が7か月ほど伸びているがその理由は何か。


 これまでは工事を平日に行う予定だったが、先進地を視察してみると、工事に伴う大きな騒音と振動のため、市の業務をやりながら工事を行うことは困難だということがわかり、工事は土日休日に行うこととしたため、工期が伸びるものである。


 それほど大きな騒音・振動が土日休日に発生するとなると、近隣の方々に多大な迷惑がかかると心配するがどうか。


 できる限りの騒音・振動対策を行うとともに、着工前によく説明して、近隣の皆様のご理解を得たいと思う。


不自然な消防自動車入札結果

6月議会には、消防団用多機能型動力小型ポンプ付積載車(2台、契約金額23,155,200)と救助工作車(契約金額131,220,000)の契約締結の許可を求める議案が提出されました。しかしその入札結果をみると、市が設定した落札上限予定価格に対する落札価格の比率が、双方ともに98.9%と、ほぼ100%に近いうえ、落札できなかった他の入札参加業者のこの比率は、軒並み100%を超えているというたいへん不自然なものとなりました。この不自然な結果は、昨年あたりから本市だけでなく、近隣市においても多くみられるようになっています。消防自動車は特殊な物品であるため、入札に参加できる業者の数が少なく、談合が生じやすい分野です。私はそう質疑したうえで、この議案には反対しました。この質問は神奈川新聞で報道され、各市に警鐘を鳴らしました。


大山・鶴巻間にバス新路線

 6月議会には、鶴巻温泉の観光客増加と経済活性化に向けて、「観光地を結ぶ交通手段による地域活性化事業費」約1300万円の補正予算が計上されました。財源の半分は国庫補助金(地方創生推進交付金)です。事業の中身は、大山・鶴巻温泉間に新バス路線を通すための調査費です。「大山に登った後は、鶴巻温泉でおくつろぎください」という趣旨は面白いと思います。私は、「実現するためには、まず鶴巻温泉の魅力を増さねばない。そしてその鍵は、宮永岳彦記念美術館の魅力を増すことだ」という質問をしました。ここで注目すべきは、本市が所蔵する浮世絵(大津圓子コレクション、鑑定価格1億円)です。今後の展開にご期待ください。


映画『じんじん』撮影場所を観光名所に

 同じく補正予算で周遊観光促進事業費(1650万円、財源の半額国庫補助)が計上され、その一部を使って、観光拠点の看板等の整備が行われることになりました。市が想定する観光拠点とは、おいしい水の水源や景色の良いところですが、私は「現在撮影中の映画『じんじん秦野版』の撮影場所も、将来の観光名所にすべく整備すべきだ」との質問をしました。市長や観光協会の努力で撮影が始まったこの映画は、秦野市を主舞台とするもので、大きなP.R.効果があります。そして映画関係者の話によれば、それほど知名度の高くない都市が映画の主舞台になることは、10年に一度あるかないかということです。『じんじん秦野版』をヒットさせるために、秦野市を挙げて、できることは何でもやるべきだと私は思っています。




浄水管理センター関連工事、地元企業が初めて受注 

秦野市の下水道事業においては、浄水管理センター(下水処理場)や大根川ポンプ場などの技術的に高度な大型工事は、全国の自治体が共同で設置した技術者集団である日本下水道事業団に、工事を委託しています。この下水道事業団発注の工事では、その工事受注実績重視の業者選定基準のために、これまで市内業者の単独の元請け受注はできませんでした。大手の業者と市内の業者がジョイントベンチャー(JV)を組んで受注した例が、2つあるのみです。そこで私は議会内の同志と協力して、市内業者の優先受注を求めた「地域経済の活性化と雇用の創出・拡大を促進する決議」を2512月議会で可決し、執行部はこの決議を背景として下水道事業団と交渉してきました。その努力が実り、この春入札された「沈砂池・事務所棟の耐震補強工事」において、初めて建築約2.9億円と電気約1.3億円の2工事を、それぞれ市内業者が受注しました。


神奈川県手話言語条例の目的実現のため、手話サークルに入会する

 去年、実行委員の一人として参加したWith youありがとうリレーコンサート」をきっかけに、手話の普及を目指した神奈川県手話言語条例に大きな関心を持つようになり、手話サークルに加入しました。


母校早大で講演

7月14日、私の母校である早稲田大学政経学部の大教室において、ゲストスピーカーとして「地方自治論―市議会の現状と課題」をテーマに90分間、講演しました。私の三期後輩にあたる小原隆治教授に依頼されたものです。聴講者は三年生約150人でした。都知事選挙の告示日であった時節柄、「舛添前都知事の問題」から説きはじめ、一般市の議員の選挙、生活、議会活動、社会活動と議論を進め、地方自治体が抱える課題と、それを乗り越えるために議会が果たすべき役割について、持論を述べて締めくくりました。質疑応答で感じたのは、学生諸君にとっては、自治体の職員は身近な選択肢ですが、直接地方政治を目指すことは非現実的な選択肢である、ということです。考えてみればあたりまえのことですが、「会社員を休職して議員になれる制度があればよい」と意見を述べた学生がいたことが、印象に残りました。

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早大政経学部での講演

posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告