2019年01月05日

議会活動報告 第66号(9・12月議会報告) 2019年1月5日

8,512,794円の弁償求め住民訴訟を提起

秦野市と伊勢原市が、ごみ処理や斎場の運営を共同で行うための組織である、秦野市伊勢原市環境衛生組合(以下、二市組合という)が、職員の不勉強と怠慢のために、国と県から交付された補助金を返納するという事件が、平成29年度に起き、新聞でも報道されました。市民本位に考えるならば、当然その弁償を、責任ある立場の職員に求めるべきだったはずですが、組合長(秦野市長)は不問に付し、組合の監査委員も問題にしませんでした。関係した職員は、組合の調査委員会によって、全員が法に抵触する行為を行い、懲戒処分に相当するとの判断が出されていますが、これらの職員のうち、秦野市から出向していた者の中には、退職後再雇用された者もいます。私はこれらのことが許せず、地方自治法上の市民の権利であり、義務でもある「住民訴訟」を横浜地裁に提起しました。           私には弁護士を代理人に立てる経済的余裕はなく、訴状も自分で書くという、たった一人の戦いです。一方、二市組合はこれらの元職員を守るために、東京の丸ビルに事務所を構える弁護士事務所に、着手金約70万円で弁護を依頼しています。審理は1015日に始まり、判決が出るまでに短くて半年、長ければ1年の月日を要するでしょう。8月に選挙を控える身としては、誠に厳しい判断でしたが、このような理不尽は看過できないと思って決断しました。1219日の二回目の審理で二市組合は、「職員は事務的なミスをしたにすぎず、法令違反はない。そもそも二市組合は損害を被っていない。」という、これまでの議会に対する説明と全く矛盾する主張を行いました。まさにガバナンスの欠如、「職員あって市民なし」の姿勢です。裁判の経過は、両市の議会をはじめ、秦野市伊勢原市の市民にも広くお知らせしながら、力の限り戦いたいと思います。


災害時、自治会の組は生命財産を守る絆

大地震発生時には、自治会の各組は、組

ごとに決めた最寄りの場所に集合し、安否確認・救助・初期消火・消防への通報などの活動を行うことが不可欠である。しかし現実には、高齢化や安否確認用の黄色いハンカチの普及により、組ごとに必ず集合するという「文化」が弱まっている。今のままでは、発災時に地域において、市民の生命財産を守り切れないと思う。防災当局において、「組ごとの集合」ということを、改めて周知徹底するべきと思うがどうか。

 自治会の組ごとに隣近所にも声をかけ、集合場所が決まっていればそこに集まり、安否確認や被害状況を確認して、自治会の一時(いっとき)避難所に報告することは、市の広報やホームページなどで、今も周知している。今後は総合防災訓練の際に、組ごとに集合できるような訓練メニューも導入したい。

 「組ごとの集合」は消防の観点からも重要である。消防としても発信すべきと思うがどうか。

(消防長) 大地震発生初期には、家屋の倒壊や火災などが同時多発的に発生する恐れがあり、被害の軽減のためには地域住民の協力が必要である。自治会各組単位の集合、安否確認、被害状況の把握は、より迅速な初期消火活動や救助活動につながることが期待できる。市民の生命、身体、財産を守るため、地震発生時の自治会等におけるこれらの初期活動について、消防団とも連携しながら発信していきたい。

意見 防災とは、「組ごとに集まるのは大変だからやめよう」ではなく、「絶対必要だから組ごとに集まろう」でなければならない。

消防からの発信に期待する。


防災協力農地を拡大せよ

本年発生した豪雨災害と地震災害の経験からも、復興の第一歩は災害廃棄物の撤去にあると考える。そのためには災害廃棄物を身近な場所に、一時仮置きできることが重要であり、現在、市と農協が協定を結んで指定している「防災協力農地」は、大幅に拡大するべきと思うがどうか。

 現在、全市に約20か所の防災協力農地があるが不十分であり、早速農協と協議したい。

意見 例えば大根地区には、下大槻と南矢名に1カ所ずつあるだけで、北矢名にはない。実感としては、10倍は欲しいと思う。現在農協からは、市街化区域内農地の固定資産税の減免が要望されている。一定の経済的メリットを農家サイドに提示した中で、早急に「防災協力農地」が拡大できるよう手を打ってもらいたい。


沖縄を学ぶ平和推進事業を実施せよ

秦野市では、市民が平和の大切さを考える機会を提供する平和推進事業として、「親子ひろしま訪問団」「中学生ながさき訪問団」「平和の日事業」の3事業が実施されている。しかしながら来年退位される今上天皇は、広島の原爆の日、長崎の原爆の日、終戦記念日に加えて、沖縄の戦いが終結した日(623)を、日本人がどうしても記憶しなければならない日として挙げておられる。「沖縄を学ぶ平和推進事業」を、新たに実施すべきと思うがどうか。

 重要なご提案であり、ぜひ前向きに検討したい。


野市の財政と中学校完全給食の財源

 今後10年の秦野市財政を見通すと、歳出増では、この議会で決まった小児医療費助成の拡大(3まで)に年間約0.7億円、新東名高速開通に伴う消防の人員増(12)に約0.9億円。また他に、同一労働同一賃金の法改正に対応する人件費増が約2億円、超高齢社会の到来による福祉関係費の自然増約6億円、公共施設の更新・長寿命化の経費約5億円、中学校給食の完全実施に約5.6億円、国が進める幼児教育の無償化に伴う支出増が約0.8億円と、これだけで約20億円が見込まれる。一方、歳入増では、消費税増税による地方消費税交付金の増が約8億円あるが、同時に実施される税制改革による法人市民税の減が約5.4億円となり、地方交付税の減額の可能性もあり、歳入増はほとんど見込めない。ここ数年の秦野市の一般会計の決算の歳入歳出差し引き残額は約20億円であるが、遠からず赤字決算になるのではないか。

(財務部長) 現時点で将来の財政を見通すことは困難であるが、行財政改革を進める中で、スクラップ・アンド・ビルドを基本的な考え方として、事業の選択と集中を進めたい。

 そうすると中学校給食の完全実施の経費(10年間で約56億円)も、教育委員会内部で調達するのが原則か。

(財務部長) すべての部署が財源確保に努めることが基本である。

 教育委員会の考えはどうか。

(教育部長) 財源の確保に努めていきたい。

意見 その方法は小中学校の施設一体化と、市立幼稚園の民営化以外になく、教育委員会は、すでに始めている検討を加速すべきである。


習熟度別授業を実施せよ

 市長は選挙のマニフェストにおいて、5大政策の一つとして「教育水準の改善・向上」を掲げたが、東京都などでは「習熟度別授業」を実施して成果を上げている。秦野市の取り組みはどうか。

 国立教育政策研究所の報告によると、「習熟度別授業」は算数・数学を対象に、全国の小中学校の半数程度で実施されており、文科省も「学力の低い児童生徒の学習意欲や学力の向上に効果がある」と報告している。一方で、習熟度の低いグループに入った児童生徒の自尊心を傷つける恐れや、それが原因でのいじめなどが発生する心配がある。また2クラスを3グループに分ける場合には、教員の増員も必要になる。効果的な学習形態と考えるので、導入を検討していきたい。

 東京都では、習熟度別授業をせず、わからない児童生徒をわからないまま置き去りにする方が、かえって自尊感情を損なうという考え方だそうである。また導入開始後15年ほどたつが、大きな問題も発生していないとのことである。すべての教員が算数を教える小学校では、人員増の問題もないのではないか。

 実際には、1学年が2クラスであれば3グループに分けることが必要と思うので、人員増は課題になる。習熟度別の指導は必要と思うので取り組みは進めたい


幼児教育無償化の財政負担をどうする?

 安倍政権が昨年の衆院選挙の公約に掲げた、消費税の増税(201910月に8%から10%に引き上げ)に合わせた幼児教育の無償化は、従来保護者が負担していた保育料が無料になり、その分を国か県か市町村が負担しなければならないわけだが、本市の場合、もし市が負担することになると、市立の幼稚園とこども園を合わせて、年間1億円弱の負担増になる。それを避けるために、私は昨年来何度も、高いレベルの政治的な働きかけを政府・与党にするように訴えてきたが、これまでどのようなことをし、また今後しようとしているか。

 自民党・公明党の県内選出の国会議員や県議に対して働きかけをし、本市の要望は確実に国に届いていることを確認している。

 現在、私立の幼稚園等の保護者負担以外の公費負担は、国が1/2、県が1/4、市町村1/4がとなっている。一方公立の幼稚園等の公費負担は市町村の10/10の負担となっている。この公立幼稚園等の公費負担の比率を、幼児教育無償化を機に変えて、私立幼稚園等と同じにしてほしいという要望についてはどうなったか。

 それは本市の要望ということではなく、横浜市長が国の検討委員会で、公立幼稚園を持つ市町村の立場を代弁して発言されたものだが、そうなる可能性はあると思う。

() この件については新聞報道によると、消費税が引き上げられる201910月以降、半年分については全額国の負担とするが、2020年度以降の分については、私立の幼稚園等については、保護者負担を無償化にするための公費負担を国1/21/4市町村1/4とする一方、公立の幼稚園等については10/10市町村の公費負担とするとの方針が示されました。全国市長会はこの政府方針に反対することを表明しましたが、予算編成の過程を経て、最終的にこれで決着しました。私の心配が現実になったわけですが、今の市の執行部は、「高度なレベルで政治的に働きかける」ということを、結局は理解していなかったというのが私の感想です。


定住促進型の奨学金制度をつくれ

これも市長選のマニフェストで提案されたことだが、本市独自の奨学金制度をつくる件はどうなっているか。

 県内の自治体には、多くは高校生を対象に奨学金制度をもっているところがある。調査・研究する必要があると考えている。

意見 海老名市では、「若者定住促進奨学金返還補助事業」というのをやっており、その内容は、種々の奨学金を借りた若者が卒業後それを返還するときに、海老名市に在住していることを条件に、月額2万円まで補助するというものである。若者支援と定住促進の一石二鳥を狙ったなかなか良い政策だと思う。ぜひこの制度の導入についても検討してもらいたい。


子どものネット依存対策

 「オンラインゲームにのめりこみ、授業中に居眠りをしたり、成績が下がったり」という新聞報道があるが、子どものネット依存に対する本市の認識を問う。

 就学前の子どものスマートフォン等の利用状況について、本市独自の調査はない。民間の調査によると、スマートフォンにほとんど毎日接している乳幼児が2割いて、4年前の調査と比べて2倍になっているが、外遊び等の他の活動とのバランスに大きな変化はないとのことである。就学後の子どもについては、平成29年度の全国学力テストにおける調査によると、1日当たり2時間以上スマートフォン等を利用すると答えた本市の小学6年生は16.5%、中学3年生は45.9%となっており、いずれの数字も全国平均より高い。ネット利用のメリットとデメリットを保護者が充分に理解して、家庭内でルールをつくることが重要になる。就学前の乳幼児健診から始まる一貫した対策を全庁的に実行したい。

意見 日本小児科医会の論文等を読むと、スマートフォンは、人類が初めて経験する幼児から依存症になる可能性があるものであり、且つこれからの時代を生きていくのに不可欠なものでもある。このことの自覚を、市民に促す対策を望む。


燃えないゴミ等収集業者の特権は続く

昭和62(1987)年度から、下水道の普及に伴い仕事が減ったし尿収集業者(2)に対して、それに代わる仕事として、燃えないゴミ等の収集を特命随意契約によって委託するようになってから30年以上の年月がたった。この間、他の競争入札による委託業者に比べて、割高の委託料を払ってきたが、その金額はいくらになるか。

 総額約49億円になる。

 私がこの問題を初めて質問した平成18年当時、委託車両数は9台で、その1台当たりの月額委託単価は約160万円だった。一方、可燃ゴミ等の収集を競争入札によって委託していた業者の単価は、1台当たり月額約80100万円だった。私は、委託車両台数がごみの収集量から算定すると2台過剰であること、単価が2倍近くも割高であることを、4年間にわたり合計15回質問したが、当時の市長をはじめとする執行部は、一向に私の主張を聞き入れてくれなかった。その後平成22年に、私がこの問題の解決を求める住民監査請求を出し、それを受けて、当時9台だった委託車両数を7台に減らす勧告と、委託単価の価格差を是正することを求める意見が、監査委員から提出されたが、現状はどうなっているか。

 2台の減車については直ちに実行された。一方、委託単価の差額については、段階的に積算方法を統一する措置をとってきており、今年度においては、積算方法の違いはなくなっている。

 しかし今だに特命随意契約は続き、競争入札が行われておらず、この2社の業者は労せずして、トラック7台分(委託料約135万円/月×7台×12ヶ月=13500万円)の仕事を市から委託されている。月額約135万円という単価は、競争入札に参加している他の業者に比べておよそ10%割高である。この業者は一方で、入札をしない特命随意契約の仕事を受注しながら、他方で、他の収集委託業務の競争入札にも参加して、受注もしている。この2社を特別扱いする理由はもはやないのではないか。

 下水道の普及に伴い仕事が減ったし尿収集業者の廃業や転業を保証する法律が公布されており、現在もその効力を失っていない。しかし時代が変わり、状況も変化しているので、これらの業者に対する特命随意契約の終了をめざして、交渉していく方針である。

() 私が平成18年にこの問題を提起した時、全くの孤軍奮闘の戦いを強いられましたが、結果としては、この8年間で約5.7億円の税金を節約した勘定になります。


秦野高校生議会の提案を受け止めよう

高校生議会の提案を受け止めて、若者が起業するための拠点(インキュベーション施設)を、本町の駅前通り(県道705号線)沿いの空き店舗等を活用して作ったらどうか。

 秦野青年会議所主催で8月に開催された高校生議会は、5月以来、17名の高校生と青年会議所会員、市職員が議論を重ねて準備したものである。4つの委員会の一つである「地域活性化委員会」からは、空き店舗を利用したアンテナショップ・登山道の入り口のおしゃれな山小屋風カフェ・若年層の集客を目的としたインスタ映えスポットなどを、自分たちが企画・運営したいとの提案があった。若年層のSNS発信力や駅周辺の空き店舗を活用する、素晴らしい提案であると思う。若者の起業のための拠点づくりについては、商工会議所市内金融機関からなる「秦野市創業支援事業計画連絡会」等において議論し、調査・研究していきたい。

意見 調査・研究もよいが、駅前通り沿いの空き店舗を市が借りて、起業に関心がある若者に開放すれば、それだけでにぎわいが生まれるのではないか。この場所は若者が集うのに便利である。経産省が小中高校生向けの「起業家教育プログラム集」を出す時代である。まず若者が起業を目的に集う場が必要であると思う。

()この質疑は9議会のものですが、12月議会にこの実現を求める陳情が提出され、全会一致で可決されました。

posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告