2017年12月24日

議会活動報告 第63号(12月議会報告・教育問題) 2017年12月20日

●議会最終日の議会運営委員会で承認されず、実現しなかった緊急質問 


大根幼稚園と大根小学校の施設の一体化

本当の目的は他にあるのではないか? 


 この事案は、本年8月22日に政策会議において決定され、続く25日の8月定例教育委員会議に協議事項として提案され、非公開の会議で協議されたものである。その後10月17、18日に保護者向け説明会が実施され、10月下旬には自治会回覧による地域への情報提供が行われた。11月中旬には、幼稚園・小学校・教育委員会事務局・保護者代表などで構成される「施設一体化に関わる検討委員会」が設置され、協議が始まっている。

 政策会議付議事案書などによれば、施設の一体化の目的は、クラス数の減少に対して集団性を確保する等の教育的配慮にあるが(その費用は約1億1千万円と見積もられている)、12月議会の一般質問における議員の質問に対する答弁から、@幼稚園の隣接地に開発案件をもつ東海大学から10月31日に幼稚園用地を取得したい旨の意向が市に示されたこと、Aまた同時に、手狭になった消防署大根分署の移転先を探そうとしている市に対し、下大槻100-1にある東海大学国際友好会館の用地を提供する意向が示されたこと、が判明した。加えて古谷市長は、政策会議と教育委員会議の直後の8月26日に、自ら主宰する政治塾(丹沢志塾)の第1回公開講座の講師として、東海大学学長を招いている事実がある。これらの事実を考え合わせると、施設の一体化の本当の目的は、教育にあるのではなく、東海大学への協力と消防署大根分署の移転にあるのではないかとの疑いが出てくる。そもそも提携関係にある秦野市と東海大学の間において、数年前から東海大学の開発事業が予定され、すでにその用地が更地になっている土地に隣接している大根幼稚園の用地について、事前の打診がなく、いきなり10月31日に土地取得の要望が提出され、合わせて消防署大根分署の移転先として、東海大学国際友好会館の用地を提供する用意があることが提示されること自体が極めて不自然であり、常識的に考えれば、相当長い間、事前の下相談がなされていたと考えることが普通であろう。

また思えば、大根幼稚園と大根小学校の施設の一体化は、クラス数の減少に対して集団性を確保する等の教育的配慮のためとするが、すでに4学年が1クラスになっており、将来的には全学年が1クラスになることが確実な広畑小学校については、学校の統合や学校区の変更などについて、何らの検討もされていないことと比べると、大根幼稚園に対する処置がいかにも拙速である不自然さは否めない。またこの事案が教育の問題であるにもかかわらず、まず8月22日の政策会議で決定され、その後に25日の教育委員会議において、非公開で審議されたことも、不自然な経緯であると言わざるを得ない。

そこで議会としては、透明で民主的な手続きに基づく政治という観点から、この事案のさらなる審議を来年の3月議会に待って、大根小学校の外構工事の予算化など事態の進展を看過するのではなく、現時点において少なくとも次の質問を執行部に対して緊急におこない、その回答を市民に提示する必要があると考える。さもないと市政に対する市民の信用が地に落ち、議会も不信の目で見られることになるであろう。

(1)大根幼稚園と小学校の施設の一体化により生ずる跡地の処分等について、秦野市と東海大学の間で、いつから話し合いがなされたか。すなわち秦野市はこの施設一体化の件について、保護者・地元住民、そして議会に、虚偽または不十分な説明をしていないか。

(2)大根幼稚園の跡地処分について、現状を踏まえ、保護者・地元住民に対して、改めて説明会や、自治会組回覧をすべきと思うがどうか。

(3)直ちに市長の要請により、議会全員協議会を開き、大根幼稚園と小学校の施設の一体化、大根幼稚園の跡地処分、消防署大根分署の移転について、質疑を行うべきと思うがどうか。




●幼児教育無償化という国の政策に対する本市の対応を問う 


問 安倍首相が衆院選で公約した幼児教育の無償化(3〜5歳児)が実施されると、2年保育の本市の市立幼稚園から、3年保育の市内外の私立幼稚園や認定こども園に、幼児が移動するのではないかと思うがどうか。


答 その可能性は考える必要がある。確かに保育料が無償化されれば、保育料が安いという公立の優位性は失われる。しかし本市の市立幼稚園には、幼小中一貫教育の取り組みなど、失われない存在意義があると考えている。



問 無償化という大きな状況の変化の影響を見定めるまで、進行中の大根幼稚園と大根小学校の施設の一体化の事務は、一時凍結すべきではないか。


答 大根幼小一体化は、4歳児・5歳児とも1クラスになってしまった大根幼稚園の園児数の減少に対応して、教育の集団性を確保するために実施するものであり、将来は幼小中一体となった「義務教育学校」を設立することを見据えている。すでに政策会議や教育委員会議で決定したことであり、国の無償化の動きに関わらずに、現在の事務を進めていく。



問 消費税増税後に、無償化の対象となるのは、まだ幼稚園に入園していない0〜3歳児である。その保護者に対して、幼児教育無償化後、2年保育の公立幼稚園を選択する意向があるかどうか、アンケート調査をしてみたらどうか。


答 平成23年以来の議論を踏まえて今の計画がある。改めてアンケートをすることは考えていない。

意見 一度決めたことは変えないという行政の姿勢は間違っている。




●大根・鶴巻地区の小学校区 変更が急務!


問 大根幼小一体化が、4歳児・5歳児とも1クラスになってしまった大根幼稚園の園児数の減少に対応して、教育の集団性を確保するために実施するものならば、1、2、3、5学年が1クラス、4、6学年が2クラスになっている広畑小学校も、同じ理由でクラス数を増やすために、大根・鶴巻地区の小学校区を変更すべきと思うがどうか。ちなみに大根小学校は、全学年3クラス、鶴巻小学校は3学年が5クラス、他の学年は4クラスとなっている。


答 幼稚園と異なり、小中学校は単に教育のための施設であるだけでなく、地域の拠点でもあるため、児童・生徒数の規模の観点からだけで適正配置をすることは考えていない。通学距離、教育効果、学区を単位としたコミュニティーの形成等の観点から、少子化という背景の中で、全市的な課題としてとらえていきたい。



問 1学年1クラスの教育環境では、文科省の手引きによれば、満足な教育が行われないということではないのか。


答 文科省の手引きによると、1学年2ないし3クラスが理想的とのことである。しかし教育委員会の考え方は、小規模校はその特異性、優位性を活かして、小規模校ならではの特色ある教育を推進していくということであり、少人数になったからといって著しく学習に支障があるということはないと考えている。


意見 大根幼小の施設の一体化は、まさにこのことを理由として行われようとしている。本市の教育行政には二重基準がある。


●小学校の英語教育に具体的提案


問 学力向上の問題は、12月1日のタウンニュースに、来年1月の市長選挙で市長の対抗馬になる人物が意見広告を出した中で、算数の授業方法にまで言及するなど、重要な政治課題になってきた。私も「ひろはた自習相談室」という小中学生対象の補習教室を、退職教員などのボランティア仲間とともに、広畑ふれあいプラザで6年ほどやっており、主に算数・数学と英語を教えているが、学力の定着が不十分な子どもは確かにいると思う。特に英語を苦手とし、英語嫌いな中学生の存在が気になる。

学習指導要領の改訂により、再来年度から小学校5、6年生で教科としての英語が始まり、3、4年生で、今5、6年生がやっている外国語活動としての英語が始まることには、下手をすると英語嫌いを大量に生み出してしまうという危険性を感じる。また、このような英語教育実施による小学校教員の負担増が、算数・国語などの他の教科の学力定着に悪影響を及ぼすのではないかと不安になる。

 先般、大阪府吹田市に行政視察に行った際入手した資料から、本市の人口規模に換算すると、吹田市の外国語指導助手(ALT)の派遣事業等の事業費は、本市の年間2200万円に比べて800万円ほど多いことがわかった。吹田市並みに本市の英語教育予算を増額し、その使途としては、本市に縁の深い上智大学の言語教育研究センター長である吉田研作氏が主宰するJ-SHINE(小学校英語指導者認定協議会)が認定した英語指導助手を導入することを考えてみたらどうか。約900万円の予算で、全小学校の3〜6学年の全クラスに週1コマ、英語指導助手を派遣することができる。


答 J-SHINEの導入は教職員の負担軽減の観点から一つの選択肢ではある。ただ文科省は、小学校の英語教育はあくまでも学級担任が行うこととしているので、その位置づけは補佐的なものになる。本市の英語指導助手に対する予算措置は、近隣市に比べれば充実しているが、よく調査・研究してみたい。



●中学校完全給食の実施は不可避


問 このテーマも市長選挙の争点になりつつある。平成26年9月議会に、中学校完全給食実施を求める陳情が提出されて以来の議論を振り返ると、この事案のメリット・デメリットについて、4つのコンセンサスがあることがわかる。すなわちメリットとしては、@生徒の食育上の効果、A若年世帯の定住化促進の効果、デメリットとしては、B多額の費用がかかること、C現在15分しかかからない昼食時間が延長され、学校の日課が窮屈になること、である。そこでまず費用について聞くが、岐阜県可児市の給食センターの例をみると、民間資本を導入するPFI方式により、割安の費用で完全給食を実現している。本市の費用見積もりは過大ではないか。


答 平成26年11月時点で、近隣市の事例を参考に、各中学校に個別に給食施設をつくる自校方式では、建設費総額約33.6億円、年間の運営費約3.4億円、市内2カ所に給食センターをつくるセンター方式では、建設費総額約26.5億円、年間の運営費約3億円と見積もっている。それほど間違った数字ではないと考えている。


問 これまで市は、中学校完全給食の実施を中長期的な課題としてきたが、短期的課題と位置付け直し、積極的に検討したらどうか。


答 PFIによるセンター方式の前提としては、適切な用地確保が必要である。様々な観点から検討していきたい。


問 給食のメリット・デメリットの観点からすると、隣接した小学校と幼稚園において、幼稚園児が小学校に行って、毎日給食を食べることは直ちにできると思うがどうか。幼小の施設が一体化した上幼稚園では、園児も給食を食べている。


答 他の小学校でも、現在は年に数回、体験給食という形で実施されている。まずはその回数を増やすことを検討したい。


問 幼児教育の無償化から中学校完全給食の実施まで、教育に関し多岐に質問したが、市長の見解を問う。


答(市長) 今議会の一般質問では、17人中10人の議員から、中学校給食をはじめとする教育関係の質問を受ける。ご提案の件は、総合的によく整理して今後に生かしていきたい。



●「中学給食実現に意欲 秦野市長 選挙対策? 議会で表明」(神奈川新聞 12/8)

中学校完全給食については、私以外に4人の議員が質問に立ち、神奈川新聞は上記の見出しで、「これまで多額の費用がかかるなどと消極的だったが、市長選の対立候補が公約に掲げていることもあり、意欲を表明した。争点つぶしと評する議員もある」と報じた。



●みなみがおか幼稚園は公私連携幼保連携型認定こども園として民営化に望む

将来の園児の減少と高まる保育のニーズを見据えて、市立みなみがおか幼稚園は平成31年4月から、公私連携幼保連携型認定こども園に移行され、民営化されます。具体的には、定数100名の幼稚園機能と定数90名の保育園機能を併せ持った認定こども園になる予定です。秦野市から定期借地権方式で園地(約5500u)を借り受け、建物(延べ床面積約1500u、残存価格1.1億円)を無償譲渡される平塚市の社会福祉法人が、運営方針等について秦野市と協定を交わし、経営にあたります。特別な支援を必要とする園児に対する統合教育や、幼小中一貫教育といった市立幼稚園の教育方針は維持されます。現在のみなみがおか幼稚園の園児数は79名です。12月議会には、この建物譲渡の承認を求める議案が提出され、以下のような質疑をおこないました。


問 園地の賃貸料はいくらか。


答 年間350万円と考えている。


問 そうすると、

 350万円÷12か月÷5500u=53円/u・月

という計算になる。駐車場の車1台当たりの用地は20uというから、これを20倍すると、

 53円/u・月×20u=1060円/月

となる。園地の賃貸料は、近隣の駐車場の料金に比べて格段に安いということになる。建物を無償譲渡することと併せて、市民共有の財産の価値を低く見すぎていないか。


答 この条件で、やっと一法人が応募してくれたという経緯がある。


問 法人を公募した時には、この場所では園児が集まりにくく、経営は厳しいのではないかという状況があった。しかし現在は、国の幼児教育無償化の政策が出され、認定こども園に対するニーズは相当増えると思える。建物の譲渡は良しとしても、園地の賃貸料については、将来の交渉の余地を残しておくべきだと思うがどうか。


答 これまでこの条件で事務を進めてきた経緯があるので、それを変える考えはない。


意見 予期しなかった国の政策によって状況は大きく変わったのである。法人と交わす協定案の中に、「この協定に疑義が生じたとき又は変更を要するときは、甲乙協議のうえ定めるものとする」との条文がある。状況によってはこの条文を活用することを切に望む。



●衆議院選挙を傍観する


10月に行われた衆議院選挙を、私は傍観しました。安倍首相が述べた解散の理由に、何らの大義名分も認めなかったからです。もともと私は、尊敬する河野洋平先生の後継者ということで、自民党の牧島かれんさんを過去3回の選挙で応援してきました。しかし今回の選挙では、自分が納得していないことを、有権者の皆さんに訴えることはできませんでした。またさりとて手のひらを返すように、他の政党の候補者を応援する気にもなりませんでした。地方議員は、自分の政策を実現しようと思えば、政権与党の国会議員との間にパイプがあった方が有利です。しかし憲法改正が政治日程にのぼり、国の在り方が問われようとする時、それは小さなことです。今後の国会議員・県会議員の選挙については、私は一から考え直す気持ちでおります。

posted by 吉村慶一 at 22:58| 議会活動報告