2016年08月01日

議会活動報告 第56号 2016年8月1日号(6月議会報告)

2年前の秦野市版「舛添問題」

舛添東京都知事辞任の理由の一端になった、航空便ファーストクラス使用等の海外視察の問題は、他人事ではありません。秦野市でも、同様のことが起きようとしていました。


2年前秦野市では、国際友好都市であるアメリカ合衆国テキサス州パサデナ市に、市長他総勢9人の公務員と、2人の市民からなる訪問団を派遣する予算案が計上されました。この予算案では、公務員の航空便は全てビジネスクラスで、その旅費は総額で約900万円、一方同行する市民に対しては、一人あたりわずか2万円の補助金を給付することになっていました。私は代表質問でこのことを指摘し、「訪問団はエコノミークラスで行くべきであり、また公務員主体ではなく市民主体にし、2万円の補助を増額すべきである」と質問しました。この質問は、タウンニュースで大きく報じられたこともあり、市民の間に大きな議論を呼び起こしました。その後、いろいろな経過を経た結果として、パサデナ訪問団は市民主体のものになり、もちろんビジネスクラスを使うようなことにはなりませんでした。秦野市版「舛添問題」は発生することなく終わり、秦野市の政治に一定のチェック・アンド・バランスの機能が働いていることを示しました。


「地域未来塾」設立を期して、学習支援ボランティアの養成を

 閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」には、「経済的な理由や家庭の事情により、学習が遅れがちな子どもを支援するため、大学生や元教員等の地域住民の協力等による、原則無料の学習支援を行う地域未来塾を、平成31年度までに全中学校区の約半分にあたる5千か所に拡充し、高校生への支援も実施する」という項目がある。かねてからの私の提案について、国家レベルでもその必要性が認められたといえる。本市の考えを問う。


 子どもの個別支援は大きな課題の一つであり、コミュニティ・スクールの導入により学校支援の輪を広げていきたい。


 そのためには教育委員会が旗を振って、学習支援ボランティアの人材バンクをつくることが必要ではないか。


 学校と教育委員会の両方で知恵を出し、学校支援の実践的な仕組み作りを検討していきたい。


意見 全国学力テストの結果からは、正答率による子どもの分布を示すグラフにおいて、成績の良いグループと悪いグループの二つの山がある「フタコブラクダ」の状態がみられる。このことは、学習支援を必要とする、大勢の子どもがいることを示している。教育委員会がリーダーシップをふるって、この子ども達に対応できる絶対量を持った、学習支援ボランティアの人材バンクをつくることを切に望む。


広域的保育利用事業の可能性

 同じく「ニッポン一億総活躍プラン」には、子育て支援策の一つとして、市町村内に、保育園に入りやすい地域と入りにくい地域が存在する場合、入りにくい地域に送迎センターを設け、送迎バスとお迎えの保育士によって、子供の入りやすい地域の保育園に送迎する、「広域的保育利用事業」が提唱されている。本市では、西部地域において保育園に入りにくく、東部地域においては保育の定数に余裕がある状況だが、この事業の導入を検討したらどうか。


 この事業は、バスによる移動が子供に負担をかけることや、保護者と保育園の間の連携が希薄化することなどの問題点がある。この事業に対するニーズの把握とともに、先進地の状況をよく調査したい。


意見 バスの導入費用や、送迎のための保育士の人件費については、国が半額負担することになっている。少ない費用で4、50人の保育定数増と同じ効果を生む事業なので、よく研究してほしい。


あまりに不十分な地球環境対策


 閣議決定された「地球温暖化対策推進計画」においては、「市町村は、地域の自然的・社会的条件に応じて、積極的に地域における再生可能エネルギーの利用の促進に取り組むべきである」とあり、また「特にバイオマスエネルギーについては、資源調達から需要先の確保に至る多様な関係者の連携確保が課題となる。市町村はこうした連携確保の担い手となることが期待される。」とある。本市のように、年間40世帯にバイオマスストーブを設置してもらうことのみを、市としての目標にしているようでは、全く不十分と思うがどうか。


 身の丈に合った計画を立て、小さなことからコツコツと積み上げていきたい。


 それで十分と考えているのか・



 バイオマスの相対的な事業のうちの一つである。


意見 国の期待に比して、一世帯当たり10万円の補助を数十世帯に出して、「それで地球温暖化対策をやっています」というのでは、あまりに恥ずかしい。


建設関係国庫補助金の半減

28年度予算編成に際し、約25億円の国庫補助対象建設事業を計上して、約9.4億円の国庫補助金の交付を見込んだが、実際の内示は約5.2億円であった。約4.2億円も収入に穴があいたことになるがどう対処するか。


 どうしても今年度にやらなければならない事業を除いた、一部の事業を先送りして、予定していた事業費約25億円を約19億円に約6億円減額するとともに、一部を市の負担に振り替える。


 その金額は約2億円になると思う。このようなことは他市でも同様なのか。


 同様と聞いている。


 市長。他市と団結して、この埋め合わせを国に求めるべきだと思うがどうか。


 市長会の中でしっかりし検討していきたい。


国の新基準に従って、多子世帯・ひとり親世帯の児童ホーム保育料、ファミリーサポートセンター利用料を軽減せよ

 子ども子育て支援法施行令が改正され、その新基準に従って、多子世帯・ひとり親世帯を対象に、いわゆる小規模保育施設の保育料を減額するとのことだが、それならばその同じ基準を、児童ホームやファミリーサポートセンターにも適用すべきではないか。


 これらの事業は、それぞれ独自の減額基準を設けているが、国の新基準に合わせた対応ができるのか、他市の状況も確認し調査研究したい。


意見 小田原市では、ひとり親世帯のファミリーサポートセンターの利用料は半額である。これらの事業に、国より厳しい基準を設ける理由があるとは考えられない。


本庁舎耐震工事は騒音・振動が心配

 提出された補正予算をみると、本年9月に着工される本庁舎の耐震補強工事の工期が7か月ほど伸びているがその理由は何か。


 これまでは工事を平日に行う予定だったが、先進地を視察してみると、工事に伴う大きな騒音と振動のため、市の業務をやりながら工事を行うことは困難だということがわかり、工事は土日休日に行うこととしたため、工期が伸びるものである。


 それほど大きな騒音・振動が土日休日に発生するとなると、近隣の方々に多大な迷惑がかかると心配するがどうか。


 できる限りの騒音・振動対策を行うとともに、着工前によく説明して、近隣の皆様のご理解を得たいと思う。


不自然な消防自動車入札結果

6月議会には、消防団用多機能型動力小型ポンプ付積載車(2台、契約金額23,155,200)と救助工作車(契約金額131,220,000)の契約締結の許可を求める議案が提出されました。しかしその入札結果をみると、市が設定した落札上限予定価格に対する落札価格の比率が、双方ともに98.9%と、ほぼ100%に近いうえ、落札できなかった他の入札参加業者のこの比率は、軒並み100%を超えているというたいへん不自然なものとなりました。この不自然な結果は、昨年あたりから本市だけでなく、近隣市においても多くみられるようになっています。消防自動車は特殊な物品であるため、入札に参加できる業者の数が少なく、談合が生じやすい分野です。私はそう質疑したうえで、この議案には反対しました。この質問は神奈川新聞で報道され、各市に警鐘を鳴らしました。


大山・鶴巻間にバス新路線

 6月議会には、鶴巻温泉の観光客増加と経済活性化に向けて、「観光地を結ぶ交通手段による地域活性化事業費」約1300万円の補正予算が計上されました。財源の半分は国庫補助金(地方創生推進交付金)です。事業の中身は、大山・鶴巻温泉間に新バス路線を通すための調査費です。「大山に登った後は、鶴巻温泉でおくつろぎください」という趣旨は面白いと思います。私は、「実現するためには、まず鶴巻温泉の魅力を増さねばない。そしてその鍵は、宮永岳彦記念美術館の魅力を増すことだ」という質問をしました。ここで注目すべきは、本市が所蔵する浮世絵(大津圓子コレクション、鑑定価格1億円)です。今後の展開にご期待ください。


映画『じんじん』撮影場所を観光名所に

 同じく補正予算で周遊観光促進事業費(1650万円、財源の半額国庫補助)が計上され、その一部を使って、観光拠点の看板等の整備が行われることになりました。市が想定する観光拠点とは、おいしい水の水源や景色の良いところですが、私は「現在撮影中の映画『じんじん秦野版』の撮影場所も、将来の観光名所にすべく整備すべきだ」との質問をしました。市長や観光協会の努力で撮影が始まったこの映画は、秦野市を主舞台とするもので、大きなP.R.効果があります。そして映画関係者の話によれば、それほど知名度の高くない都市が映画の主舞台になることは、10年に一度あるかないかということです。『じんじん秦野版』をヒットさせるために、秦野市を挙げて、できることは何でもやるべきだと私は思っています。




浄水管理センター関連工事、地元企業が初めて受注 

秦野市の下水道事業においては、浄水管理センター(下水処理場)や大根川ポンプ場などの技術的に高度な大型工事は、全国の自治体が共同で設置した技術者集団である日本下水道事業団に、工事を委託しています。この下水道事業団発注の工事では、その工事受注実績重視の業者選定基準のために、これまで市内業者の単独の元請け受注はできませんでした。大手の業者と市内の業者がジョイントベンチャー(JV)を組んで受注した例が、2つあるのみです。そこで私は議会内の同志と協力して、市内業者の優先受注を求めた「地域経済の活性化と雇用の創出・拡大を促進する決議」を2512月議会で可決し、執行部はこの決議を背景として下水道事業団と交渉してきました。その努力が実り、この春入札された「沈砂池・事務所棟の耐震補強工事」において、初めて建築約2.9億円と電気約1.3億円の2工事を、それぞれ市内業者が受注しました。


神奈川県手話言語条例の目的実現のため、手話サークルに入会する

 去年、実行委員の一人として参加したWith youありがとうリレーコンサート」をきっかけに、手話の普及を目指した神奈川県手話言語条例に大きな関心を持つようになり、手話サークルに加入しました。


母校早大で講演

7月14日、私の母校である早稲田大学政経学部の大教室において、ゲストスピーカーとして「地方自治論―市議会の現状と課題」をテーマに90分間、講演しました。私の三期後輩にあたる小原隆治教授に依頼されたものです。聴講者は三年生約150人でした。都知事選挙の告示日であった時節柄、「舛添前都知事の問題」から説きはじめ、一般市の議員の選挙、生活、議会活動、社会活動と議論を進め、地方自治体が抱える課題と、それを乗り越えるために議会が果たすべき役割について、持論を述べて締めくくりました。質疑応答で感じたのは、学生諸君にとっては、自治体の職員は身近な選択肢ですが、直接地方政治を目指すことは非現実的な選択肢である、ということです。考えてみればあたりまえのことですが、「会社員を休職して議員になれる制度があればよい」と意見を述べた学生がいたことが、印象に残りました。

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早大政経学部での講演

posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告