2016年01月10日

議会活動報告 第54号 2016年1月10日号(12月議会報告)

大企業に軽く庶民に重い、水道料金値上げ案に反対

12月議会には、5年ぶりに水道料金を平均15%値上げする条例改正案が提出されました。秦野市の水道事業会計は水需要と料金収入の減少のため、25年度から赤字(約27億円の予算規模に対し約2千万円の赤字、26年度は約8千万円の赤字予算)になっていること、水道管路が老朽化しており、耐震化率が県平均の62.5%に比べて28.6%と低いため今後多額の投資を必要とすることから、平均15%の料金値上げ自体はやむをえないことです。

しかし問題はこの値上げ(年間約3億円分)を誰がどれだけ負担するかにあります。市長の提案は、@水使用量の多寡にかかわらず負担する基本料金をこれまでより高く設定する、Aこれまで安い家事用・高い業務用に分かれていた料金体系を統一して水道管の口径別にする、B水を使えば使うほど料金単価が上がる逓増性を緩和する、というものです。

 この結果は、ひと月の水使用量が8㎥までの世帯(1人住まいの高齢者世帯など約2万世帯)は月額料金が520円から680円に160円(約30%)、家族4人の標準世帯(ひと月の水使用量30㎥)は2160円から2650円に490円(約23%)の値上げになるのに対し、市内の最大口

利用者企業(年間水使用量約15万㎥)は年額料金が約3650万円から約3800万円にわずか150万円(約4%)の値上げにすぎません。このような値上げ巾の格差ははたして公平公正といえるでしょうか。企業の抱える内部留保を家計に還元しようとしている国の経済政策にも反します。

そこで露木順三、佐藤文昭両議員とともに、全ての水道利用者が平等に15%の値上げを負担する修正案を提出しました。採決の結果は修正案に対する他の賛成者はなし。市長提案、修正案ともに反対した議員1名を除く他、全ての議員は市長提案に賛成しました(議長は採決に参加せず)。

新東名秦野サービスエリア周辺土地利用構想について提案する

具体的手法はどうするか

 新東名高速秦野サービスエリアにスマートインターチェンジが設置されることを踏まえ、北小学校西方の農地等(約15ha)を産業利用促進ゾーンとして整備し、工場等を誘致する計画が進んでいる。具体的にはどのような整備手法をとるのか。

 平成28年に告示される第7回線引き見直しにおいて、将来この地区を「工業地域」とすべく、その前段階として「保留フレーム」の位置づけをしたい。その上で、続く5年間のうちに組合施行の「土地区画整理事業」を実施する考えである。この方法は、地権者による土地区画整理組合が、市の支援の下に、建設会社などの業務代行者を用いて事業を進めるものである。本市では、秦野赤十字病院の移転を目的の一つとして行った「西大竹土地区画整理事業」等の実績がある。

意見 そのような民間主体の手法ではなく、市が土地を買い上げて行う「市施行の区画整理事業」という考え方もある。利害得失を良く検討してほしい。

矢坪沢産業道路を建設せよ

 この地域の道路は北小・北中の通学路になっていて、朝夕大勢の児童・生徒が通る。計画している工業地域へのアプローチ道路はこうした生活道路とは別に、矢坪沢の上部を活用して新たな産業道路をつくるべきだと思うがどうか。

 現在策定中の「はだの交通計画」等にそのような道路を位置づけている。保安林・砂防指定地の解除など難しい課題があるが、すでに県との間で事前相談を始めている。

羽根地区の市有地(約5ha)も産業利用促進ゾーンにせよ

 近くの羽根地区には約5haの市有地があるが、ここも産業立地ゾーンとして活用したらどうか。

 平成14年に寄付された農免道路北側の土地だが、2412月に北地区自治会連合会会長ほか15自治会会長の連名により、市長あてに「丹沢山系の森林資源有効活用と活性化について」という題名で、「バイオマス発電所の誘致推進」を内容とする要望書が提出された。当該地は市街化調整区域にあり土地利用に制限があるが、スマートインターチェンジに比較的近い場所にあるので、本市の活性化につながる土地利用について引き続き検討していきたい。

15haの土地については、整備の基本構想策定業務が平成28年度予算化される方向である。羽根の市有地についても調査費を予算化する考えはないか。

 そこまでは考えていない。

意見 この絶好の機会に、他人の保有する土地(それも優良な農地)の整備構想はつくるが、すぐそばの自分の土地(市有地)は放っておくなどということはありえない。再考を求める。

大浮世絵展を開催せよ

 平成10年に秦野市東田原出身の女性実業家、大津圓子氏から寄贈された約1900点の浮世絵(鑑定価格約1億円)については、この年末年始にも鶴巻温泉の市民ギャラリーにおいて小規模・短期間の展示会を開催する。浮世絵ブームである今日、シティプロモーションとしてもっと大規模・長期間の浮世絵展ができないか。3月に引き渡し予定の教育庁舎は、本庁舎の耐震補強工事の実施が遅れたことから、4月から9月まで1階のスペースが利用可能となる。カルチャーパークの施設と同時開催にして、「浮世絵周遊コース」とするのも面白い。

 教育庁舎は展示施設ではないので、繊細な浮世絵の保全等の観点から多くの難しい問題があると思うし、予算もかかる。専門家の意見等も聞いて検討したい。

意見 今のやり方では、全部の作品を見るのに50年かかってしまう。前向きに検討してほしい。

北九州市のひまわり学習塾について

 北九州市では希望する子どもたちの基礎学力の向上を図るため、200名もの有償ボランティアを採用し、放課後の教室を使って「ひまわり学習塾」を開催して効果を挙げている。本市においても、私がかねて提案しているように、ボランティアを活用した個別の学習支援を行うべきだと思うがどうか。

 小学校131校中70校、中学校62校中24校で実施しているとのことであり参考としたい。本市においては、個別指導が必要な子どもたちの支援については、地域や保護者と連携し、情報通信技術も取り入れた補充学習等、学校における効果的な指導の充実を図りたい。

水泳の授業のあり方について

 全国的に、高度成長期に建設した学校のプールの老朽化が問題になっている。その建替えには1校あたり約2億円かかるといわれており、また学校プールの維持費は人件費抜きで1校当たり年間100万円かかるというデータがある。今後、本市の学校プールにおいて、1千万円以上の大改修が必要になった場合には、そのプールの使用をあきらめて、市内にある民間のスイミングスクールなどに委託して水泳の事業を行う方法を考えるべきだと思うがどうか。高い技能を持った指導員のノウハウを活用できるとともに、コスト的にも優位性がある。

 全国的にそういう例があることは承知しているが、利点とともに問題もあるようだ。各学校のプールの寿命も勘案して、今後の検討課題としたい。

カルチャーパーク条例に反対

平成23年から実施してきたカルチャーパーク(中央運動公園)再整備事業が3月で完了することから、カルチャーパークという名称及びその範囲・構成施設を明確化する目的の条例が制定されました。この条例案よると、市は先の「日産車体社宅跡地の駐車場」に加えて、新たに約1億円の土地を駐車場用地として購入することが想定されています。また条例の規定によれば、市はさらに際限なく駐車場用地を買い入れることができることになっています。私はこの点に大きな問題があると考え、条例案に反対しました。なおこの条例により、市民等からの寄付を募りながら施設整備を図るための「カルチャーパーク基金」も設置されます。

下水道事業に企業会計導入

4月より下水道事業に企業会計を導入する条例案が可決(私も賛成)されました。これにより従来、コストに計上されていなかった減価償却費が計上されるようになり、下水道事業会計が実質的に大幅な赤字であることが明白になります。このことは将来、下水道料金が大幅に値上げされることの可能性を予想させるものです。下水道は高いからという理由で、違法に合併浄化槽を使用し続ける世帯に対する有効な対策が不可欠になります。

旧渋沢保育園を社会福祉法人に売却

渋沢保育園としぶさわ幼稚園を統合して「渋沢こども園」を設置することにより、使用しなくなる旧渋沢保育園の土地を約1億円で民間の社会福祉法人に売却し、建物は譲渡することになりました。社会福祉法人は、この施設を改修して引き続き保育園を運営することになります。これより秦野市の保育園の定数は約90人増える見込みです。売却先の社会福祉法人の選考は、5人の関係課長により構成された選考委員会において行われ、2法人が参加しました。選考の基準は保育の質に重点が置かれました。保育園を市が直営すると国から市に交付される補助金が民間保育園の場合と比べて約5千万円少なくなるため、公立保育園の民営化は私のかねてから提唱するところです。秦野市においては、旧広畑保育園の建物を民間に貸与した「なでしこ第2保育園」の前例があります。

部設置条例等の改正に反対

市長の発意により4月から市役所の機構改革が行われます。その内容は、@水道局と下水道部を統合して上下水道局とすること、A新たに危機管理監という職を市長公室に設置することなどです。組織いじりをしても市役所の機能は向上しませんが、上下水道局の設置は時宜にあったことと思います。しかし私はこの条例改正案には反対しました。その理由は、文化会館長の職を課長職から格下げしたことにあります。秦野市の文化・芸術の中心である文化会館長の職務が、軽く見られる事には納得がいきません。文化会館はカルチャーパークの中のただの一施設ではありません。文化・芸術のコーディネーターであるべきです。トップである館長には、充分な権限が必要です。

ごみ収集職員の悪慣行(就業時間内入浴)を廃止せよ

燃えるごみ等の収集は、市の職員の直営収集によるよりも、市から委託された民間企業による方が、収集量が多くなっている現状があります。そうした中、直営収集職員による就業時間内の入浴という慣行は、見直す時期に来ていると考えます。いったい就業時間中の入浴という行為を、給与の支払いの対象としている職場が他にあるでしょうか。もちろんごみ収集を委託されている企業には、そんな慣行はありません(そもそも入浴施設そのものがありません)。入浴は福利厚生の一環としては必要でしょうが、あくまでも就業時間外にするべきであるとの私の質問に対し、担当課長の答弁は「就業時間内に行われるべきものであり、委託業者にもそのような指導をしていきたい。」という驚くべきものでした。もしそのような「指導」がなされたとすると、委託業者はそのために新たな設備投資をしなければならないことになり、それは全て委託料に跳ね返って、最終的には我々が収める税金によって支払われることになります。私は非常識な話だと考えますが、皆さんはどう思われますか。

畜産業の臭気対策について

今泉堆肥センターの悪臭問題に関する意見交換会(126日開催、堆肥組合、周辺自治会役員、市・県の担当者、市議5名参加)に参加しました。周辺自治会の役員からは、堆肥センターの移転を求める声も出た厳しい会議でしたが、私としては現実的な解決策を探りたいと思います。当面の課題は、当初の計画になかった市外からの混入物である「発酵堆肥」の質と量を改善することです。すなわちいかに匂いのないものを、必要最小限混入するようにするかということです。このため堆肥センターに補助金を出した国・県・市の行政指導上の責任を文書で明らかにすることを求めました。それを背景に、堆肥組合に発酵堆肥の質・量の改善を求めることが肝要だと思います。


posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告