2015年11月05日

議会活動報告 第53号 2015年11月5日号(9月議会報告)

議員報酬5%削減、継続ならず

選挙後初の9月議会では、二期にわたって断続的に継続してきた議員報酬5%削減の議案を、5人の議員とともに提出しましたが、力及ばず139の賛成少数で否決されました。議案提出者は横溝泰世、高橋文雄、木村眞澄、露木順三、佐藤文昭各議員と吉村、賛成は横山むらさき、山下博己、野田毅の各議員、阿蘇佳一議員は退席、他の議員は反対にまわりました(議長は採決に加わりません)

議員報酬を5%削減すれば、年間約12百万円の財源を生み出す効果があると同時に、議員が身を削る政治姿勢を示すことは、一層の行政改革を進める前提条件ともいえるものです。  なお反対した議員が述べた理由は、@他市に比べて秦野市の議員報酬の金額は低い、A前の任期で定数を2人削減して、年間約2千万円の財源を生み出している、というものでした。

公共施設使用料値上げの前に、職員の持ち家住宅手当を廃止せよ

 最近の「公共施設再配置推進会議」に、「公共施設使用料の見直しは急務である云々」という文言を含む文書が提出されているが、どういう意味か。使用料の見直しは、私が提案している「公共施設を使った収益事業」や「利用者による施設の自主管理」の実験の後に行うべきではないか。

 利用者負担の見直しはできるだけ早期に実施したいが、今はまだその時期をいう段階ではない。

 平成21年の人事院勧告にある、持ち家手当て(月額1人当たり14千百円、支給総額年間約75百万円)の廃止が6年間も保留になっているのは、古谷市長が決断しないからであり、その原因は、市長が選挙の折に、職員組合の支持を得るため交わした「政策協定」にあるのではないか。

 秦野市の職員給与は近隣自治体と比較して低いレベルにあり、持ち家住宅手当の廃止は、組合との協議の継続案件になっている。市長が交わした「政策協定」は、「労使双方が懸案を解決するためには、合意に至るまで何度でも話し合う」という民主主義の理想を示したものであり、労使協議に影響するものではない。

意見 市民に負担を求める「公共施設使用料見直し」は急務とする一方で、「職員の手当廃止」は6年間も保留という現実がある。

全国学力テストの目的と結果を踏まえ個別の学習支援を充実せよ

 平成26年度の「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果報告書(6算数)」によると、平均点や問題ごとの正答率の分布には、全国的にあまり違いはないとのことだが、秦野市の場合も全国平均にやや及ばないが、これに該当するということでよいか。

 そのとおりである。

 報告書によれば、90882という小学校3年生で習う問題を間違えた児童が約16%いる。本市の例にあてはめると、6年生が約100人いる本町小学校には、3年生の引き算ができない6年生が16人いることになる。この児童たちには、マンツーマンの学習支援が必要であり、ほぼ同数の先生役をボランティア等で集めなければならないと思うがどうか。

最近の朝日新聞のコラムで、全国学力テストの制度設計をした文科省の元幹部職員が、「このテストは、義務教育に課せられた、全ての子どもに一定の学力を保障する措置の一環として始められたものであり、わからない子どもはわかるようにして送り出してほしい」という趣旨の発言をしている。

6学年配属の教師だけでなく、教育指導助手や大学生ボランティアの力も借りて、きめ細かい指導を行っている。

意見 そのような一学年あたり数人の体制では焼け石に水である。退職教員や高学歴のボランティアなどを組織して、個別の学習支援ができる体制を教育委員会のリーダーシップでつくるべきである。

畜産業の臭気対策について

 今泉台・尾尻・南が丘周辺の臭気の原因は、これまで「今泉堆肥センター」にあると考えられてきたが、他にも臭いの発生源があるのではないか。

 時により、農家が畑に牛糞を撒いてすきこんだりすることも臭いの原因と考えられる。

 今泉堆肥センターにおける堆肥作りのために、市外から搬入している発酵堆肥の一時貯留場として使用されている、旧牧舎が臭いの発生源ということはないか。また旧牧舎のこのような使用は、「農業振興地域の整備に関する法律」に照らして適法なのか。

答 臭いの発生源である可能性もある。関連する法律上の問題についても適切に対応したい。

 今泉堆肥センターができて10年である。大きな故障が起きる前に、攪拌機械の取り替えが必要だと思う。市が国の補助金をもらって機械を購入し、堆肥センターにリースで貸す方法を考えたらどうか。

 検討したい。

エネルギーの地産地消を推進しよう

 市は地球温暖化対策のためとの理由をつけて、小水力発電所の設置や、木質バイオマスストーブ購入(年間数台)に対する補助などの施策を行っているが、電気エネルギーの自給率の目標といったものをもっているのか。

 もっていない。

 明確に目標をもたず、細々とやっているだけでは意味をなさない。国の「バイオマス活用推進基本法」に位置づけられている、市としての「バイオマス活用推進基本計画」もつくっていないが、なぜつくらないか。

 神奈川県を含め、県下には前例がない。時機を見ているところである。

意見 他に先んじてやるからこそ国の補助金も付きやすい。他県の市では、数千kWから1万kWを超える発電能力を持つバイオマス発電所の稼動が続いている。民間企業がやることだが、市が「バイオマス活用推進基本計画」をもっていないと国の補助対象にならない。市内にもやる気のある企業があり、脱原発にもつながる。市は積極的に取り組むべきである。

所得制限なしの小児医療費助成拡大に反対

 秦野市では現在、小学校4年生までの児童の入院・通院に対して、医療費の自己負担分を助成しています(年間予算約45千万円)。通院の助成を6年生まで拡大し、今はある所得制限(親子4人の世帯で年収約800万円以上の場合は助成しない。全体の約7%になる。)をはずすという趣旨の決議案が、私を除く全議員の総意として提出されました。これには約84百万円の費用(その内、所得制限をはずす部分が約3千万円)がかかります。私は小児医療費の助成対象を拡大することには賛成ですが、所得制限をはずすことには納得できませんでしたので、ただひとり反対しました。所得の多い世帯に配るお金があるなら、本当に困っている世帯のための他の用途を考えるべきだと考えるからです。

浄化槽管理の権限委譲を受け、下水道の水洗化率向上につなげよ

 秦野市では、すでに下水道が整備済みの地域において、約10%の世帯(5千件)が下水道への接続を(水洗化を)していません。このことは下水道法違反なのですが、罰則規定がないため放置されているのです。水洗化しない理由として挙げられるのが、「浄化槽の維持費と比べて下水道使用料は高い」というものです。実際は、浄化槽も法令どおりに点検や清掃を行えば、その費用は下水道使用料と変わらないのですが、県の保健所の指導が甘く、法令どおりの点検・清掃をしていない世帯が多いと考えられます。そこで県がこの浄化槽管理の権限を市町村に委譲しようとしているのを受けて、市が未水洗化世帯の浄化槽の管理・指導を適切に行えば、下水道の水洗化率の向上が期待できます。水洗化率が5%上がれば約1億円の収入増になります。その分、下水道使用料の値上げを先延ばしすることができるわけで、権限委譲を受けるように強く提案しましたが、「仕事量の増加に見合う県からの交付金が来ない」という理由で拒否されました。市の職員組織には(古谷市長は違うと期待しますが)、「損して得取れ」という感覚が欠如していることがわかりました。

国の幼稚園就園奨励費補助金の増大と本市の幼稚園行政の将来について

 安部政権になって国の「私立幼稚園就園奨励費補助金」が増額され、公立幼稚園と私立幼稚園の保護者負担に差がなくなってきています。多額の税金を使っている本市の市立幼稚園の民営化を検討するように提案しました。

住宅新築等資金貸付の損金処理は、県と折半で行うのが筋である

 県と共同で、同和地区住民の居住環境改善のために行ってきた資金貸付(総額約50億円)のうち、回収できずに損金処理をしなければならないものが約2億円発生する見込みです。県の規定では、全額市が負担することになっていますが、共同でやったものは負担も共同で行うべきで、訴訟を起しても県に半分負担させるよう提案しました。(検討するとの答弁)

職員健康診断で人事課大失策、安全衛生委員会機能せず

 平成26年度決算審査の過程で、人事課が実施すべき2項目の健康診断等(パソコンを常時使用する職員に対するVDT従事職員健康診断とB型肝炎予防接種)をうっかり忘れ、1年以上もそれに気づかなかった事実が判明しました。そしてこのことは、職場の安全衛生を守るために設置されている、安全衛生委員会(副市長を委員長に、所属長や産業医、労働組合推薦者で構成)においても見過ごされていました。全く組織としてお粗末な話です。職場の安全衛生に関しては、秦野市では特定の課において、極端に時間外労働が多く、有給休暇の取得率が少ない傾向も見られます。本年12月に予定されている組織機構改革では、職場の安全衛生向上の観点から、この点を重視すべきだと提案しました。(参考にするとの副市長答弁)

高齢者等世帯むけ粗大ごみ新収集システムの導入を

6月議会で質問した、高齢者等世帯の粗大ごみを、家の中まで取りにいくシステムの導入について再度質問しました。(要介護独居高齢者等のごみを屋内まで取りにいく「ほほえみ収集」の対象世帯に対して、自己負担の妥当な金額等についてのアンケート調査をするとの答弁。その後海老名市では、中層住宅団地でモデル的に同様のことを実施していることが判明。)

農林予算の構造改革を実行せよ

 人件費に対して事業費の比率が小さい農林予算の構造を改善するために、正規職員を退職再任用職員に入れ替えて、人件費を減らすことで事業費を増やすことを提案しました。経験豊かな退職再任用職員の導入は、職員力は低下させない方法でもあります。(前向きに検討するとの答弁)

商店街防犯カメラの設置は裏道まで

 商店等に対するいたずらは、表通りより裏道に多いとの市民の訴えに基づき、防犯カメラは商店街の裏道まで設置するよう要望しました。

公共交通の利便性向上は公平に

 渋沢駅・日赤病院ルートの乗り合いタクシーが大型化(定員10人から14)されたのにならい、おおね台ルートのタクシーも大型化するように要望しました。(2年後に実施される予定)

後期高齢者医療事業第三次中期計画の内容(10年後の予測)に驚く

75歳以上の市民が加入している後期高齢者医療事業は、神奈川県下の全ての市町村がつくっている広域連合が保険者となっており、各市町村はその下で主に保険料を徴収する役割を果たしています。広域連合には議会があり、年に4回、各1日の会期で開催されています。821日に開催された議会に、来年度以降6年間にわたる中期計画案が提出されました。そここで示された10年後の事業の予測は実に驚くべきものです。すなわち後期高齢者医療事業の加入者数が、現在の約90万人(県の人口は約950万人)から約148万人に増加し、医療給付費は年間約8千億円から約135百億円に増加するというものです。それぞれ約5割の増加ということになります。後期高齢者医療事業の財源は、後期高齢者の保険料負担が約1割で、その他は、組合健保等、現役世代の健康保険の交付金と、国・県・市町村の支出金で構成されています。この全ての構成団体にとって、5割の負担増は不可能に近いことでしょう。在宅医療の体制を早急に整備して費用のかかる入院日数を減らすこと、胃ろう等の延命治療を見直すこと等の問題について、秦野市のみならず広域で真剣な議論を始める必要があります。政治のリーダーシップが問われています。


posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告