2014年07月20日

議会活動報告 第48号 2014年7月20日号(6月議会報告)

古谷市長の「丹沢志塾」、公私混同の上、議会基本条例の趣旨に反す

 市長は公務としての記者会見に引き続いて、記者クラブにおいてではなく、議会の会議室で、私事である「丹沢志塾」の設立を発表した。これは公私混同ではないか。

 庁舎四階の議会会議室から、二階の記者クラブへ移動する手間を考慮して、同じ場所で行ったものである。反省している(市長室長)

指摘 公私の区別についての市長のセンスを疑う。議会は、市長の私事のための記者会見には、会議室を貸すことはできない。

 「秦野市議会基本条例」は、その前文で「議会は、(中略)市長等とは独立・対等の立場において、政策決定や、市長等の事務の執行に係る監視及び評価を行う責任を担っている。」と述べている。現職の市長が、その任期中に行われる市議会議員選挙の直前に、(市議会議員を含むと思われる)政治家の養成のための機関を設立することは、この趣旨に反するのではないか。市長という立場の政治的重みを考えるべきであると思うがどうか。

(答弁なし)

 「丹沢志塾」 古谷市長が「政治にチャレンジする人を育てたい」と設立したもの。4月16日付の新聞各紙で大きく報道された。

秦野赤十字病院からの産婦人科医引き上げ(年間700件の分娩に影響)

 5月20日付の神奈川新聞一面トップ記事で、東京の昭和大学が秦野赤十字病院に派遣している3人の産婦人科医を、来年3月末で引き上げることを、5月1日に通告していたことが報道されました。6月議会では、6人の議員がこの問題について質問しました。

 突然の報道の後、6月から秦野赤十字病院は新規の分娩の受付を停止している。秦野の妊婦さんたちは大変な不便をこうむることになる。全国的に不足している産婦人科医の確保という問題の解決のためには、秦野市としても予算措置をとって、この問題に対処する必要があるのではないか。

 現在、日赤病院・神奈川県とともに、昭和大学に対して産婦人科医引き上げの再考を要望しているが、その必要性は認識している(子ども健康部長)

持ち家住宅手当の廃止について

 住宅を所有している職員に対して、月額1万4700円、年間8千万円支払われている持ち家住宅手当については、人事院から5年前に廃止するようにとの勧告が出ている。いつになったら廃止されるのか。

 この5年間には地域手当の削減など、交渉を優先すべき懸案事項があり、決着にいたっていない。今後とも交渉していきたい。

意見 市長と職員労組が交わした「政策協定」に、「労使は協議に十分時間をかける」との一文があり、それに影響されているように思える。

市民公募のパサデナ調査団を派遣せよ

問 4月に秦野に来たパサデナ市の訪問団には、期待していたパサデナ市長も、それに代わりうる立場の市の幹部も含まれていなかった。この状況では、10月に予定している本市のパサデナ公式訪問団の派遣は、時期尚早といわざるをえず、当面は公式訪問団の代わりに、将来の交流の可能性を多面的に探るための調査団を派遣することにしたらどうか。

 国際交流の相互主義の観点から、パサデナ市長に再度、来秦を要請する手紙を送っている。1ヵ月程度の間に返信がくると思うので、それを受けて対応を考えたい。

意見 色よい返事が来なかった場合の次の手としても、調査団の派遣を検討して欲しい。

下水道事業団への工事委託について

 下水処理場などの下水道に係る技術的に難しい工事を、地方自治体に委託されて行う組織である下水道事業団に対して、秦野市は浄水管理センター(下水処理場)の一部の耐震補強工事を委託した。このうちの建設工事(約4億3千万円)の入札がそろそろ公示されると思うが、この件については、地元業者の活用・育成について商工会議所から要望があり、議会としても昨年の12月議会において、その趣旨に賛成する決議を全会一致であげている。その後の経過はどうか。

 市長以下下水道部をあげて、あらゆる機会をとらえて下水道事業団との交渉を重ねた結果、6月9日の入札公示によれば、JVの構成員は市内業者と限定されたので、交渉の効果は出たと思う。

意見 議会の議決の趣旨は、一定程度達成されたようだ。執行部の努力を多とする。

経過 この入札は、近頃の建設業界の人手不足などの状況からか、応札したJVがひとつのみという結果になった。

教育の負の連鎖について

 来年から実施される「生活困窮者自立支援法」においては、現在秦野市でも行われている、生活保護需給世帯の中学生を対象とした学習支援事業を、市の判断で拡大して、より多くの生活困窮家庭を対象にすることができるようになる。秦野市の判断はどうか。

 生活保護世帯を対象とした学習支援事業もまだ1年の実績しかないので、福祉部と教育委員会の連携を図り、まずこの事業の充実に努めたい。

市長提出議案について

副市長の給与削減 新任の八木副市長の給料を他の副市長の例に合わせて、10%カットする議案。秦野市の将来人口の現象が予測される中、市長、副市長、教育長の給料は根本から見直すべきではないかと質問。その気はないとの答弁。賛成多数で可決。

市税条例改正 国の地方税制度改正に伴う改正で、法人市民税が減額、軽自動車税が増額。差し引き1億7千万円の歳入減になることを質疑で明確にし、いっそうの行革努力を促した。

クリーンセンターの利便施設 補正予算で、クリーンセンター(新焼却工場)の余熱を使った利便施設の設計費が付き、賛成全員で可決。利便施設は、鶴巻温泉弘法の里湯を少し小さくしたようなもの(延べ床面積1500u程度、建設費は5億円程度)になる模様。 

蓑毛の観光案内板 県の補助事業で、蓑毛地区に観光案内板などを設置することを認める補正予算を、全会一致で可決。今回の県の補助金は総額1億円であったが、秦野市に交付されたのは、わずかに170万円にすぎなかったこと、伊勢原市、三浦市などには2千万円を超える補助金が交付されたことなどについて質問し、秦野市の観光戦略が、必ずしも県に評価されていないことを明らかにした。

環境産業常任委員会での質問

5月に行った行政視察の見聞をもとに次の二点について質問した。

総合的視点に立った里地里山整備について

 山口県宇部市では、生物多様性保全という広い見地から里地里山整備を行っている。本市も年間約7千万円の予算を使い40haほどの里地里山整備を行っているが、この視点に、鳥獣被害対策という視点も加えて、総合的視点の立場から、事業を専門家に評価してもらったらどうか。私も里山整備活動を行っているが、現在やっていることが、生物多様性の保全や鳥獣被害対策になっているか確認したい。

 今やっている事業にはそういった効果もあると思う。

薬用植物の試験的栽培について

 熊本県合志市では、製薬会社と組んで薬用植物であるカンゾウの栽培実験を行っている。

その狙いは薬用植物の出荷とともに、荒廃地対策、「薬膳の里」といった地域ブランド作りなど総合的なものであり、国の補助制度もあるようなので本市も取り組んだらどうか。

 さっそく県を通じて国に補助制度の紹介をかけてみたが、本年度分の予算はもう消化されていて、来年度も同じ予算が付くかどうかは不明とのことである。

(仮称)ジェネリック医薬品利用推進条例案の検討を提案

 秦野市議会においては、市の行政を律する条例を、議会が提出して制定したことがありません。一方、先進的な自治体の議会においては、近年、議会提案の条例が制定される例が増えています。そこで本議会としても、各会派代表者会において、その可能性についての検討が始まりました。そこで私としては、今後、ほぼ二年に一度は、保険税を値上げしなければならないことが予想されている、国民健康保険の財政健全化を図るため、会派としてかねて主張してきた、ジェネリック医薬品の利用推進を目的とする条例案を、代表者会のテーブルにのせるべく提出しました。その内容は次のようなものです。

(仮称)ジェネリック医薬品利用推進条例案

概要

1 総則 条例の目的、用語の定義等

2 責務 市民、行政、医療機関等それぞれの責務

3 ジェネリック医薬品利用状況報告書等の作成

4 ジェネリック医薬品利用推進会議の設置

なお、この4月から生活保護法が改正され、生活保護受給者には、医療上問題がない場合には、ジェネリック医薬品の使用努力義務が課せられています。私の提案は、この努力義務を広く市民に全体化して、医療費の削減を図ろうというものです。

改正地方教育行政法について思う

強まる市長の影響力 地方自治体の教育委員会のあり方を変える改正地方教育行政法が、6月13日与党などの賛成多数で可決成立しました。従来の教育委員会(秦野市の場合5名で構成)は、市長が議会の同意を得て任命する教育委員の合議体であり、委員会の代表である教育委員長と事務を統括する教育長は、互選で選ばれていました。そして教育委員会は、予算の伴う事業については、その予算について市長の査定は受けますが、教育の中身については、市長の影響力を排して事務を行ってきました。従って教育委員会は、市長に対して独立性の高い組織であるといえました。しかし今回の改正では、教育委員長と教育長を統合し市長が任命することになりました(議会の同意を得ることは変わらず)。市長が人事面から教育委員会に強い指導力を持つことになります。また新たに市長と教育委員会の協議機関として「総合教育会議」も設置されることになりました。教科書採択や教員人事については、この会議の議題になることはないということですが、教育の中味の問題について市長の影響力がこれまでより大きくなることは確実でしょう

改正の契機・大津市の事件 なぜこのような改正が行われたかというと、その契機として大津市の中学生自殺事件が挙げられます。あの事件のとき、大津市の教育委員会は、事件の真相解明などについて、学校現場に十分な指導力を発揮できず(生徒に対するアンケート調査すらやらないで済ませようとした)、責任の所在が著しく不明であるとの批判を受けたのでした。教育行政における責任の所在を明確にする、ということが改正の最大の理由です。

期待半分・不安半分 今回の改正について、私は期待半分・不安半分の気持ちです。

期待というのは、先に述べた「教育における負の連鎖」の問題について、市長の指導力によって大きく前進できるのではないかということです。この問題については、教員集団も教育委員会も手をこまねいているのが実態です。解決には、予算措置を伴う強い政治的リーダーシップが必要です。

不安というのは、将来、偏った思想を持った人が市長になったときに、教育の中立性が脅かされるのではないかということです。期待を実現し、不安を払拭するためには、議会がより常識と見識を持ち、権力(市長のこと)に対して毅然とした姿勢を持つことが必要でしょう。


posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告