2013年05月10日

議会活動報告 第43号 2013年5月10日号

「リーダーが身を削る政治」道遠し

議員報酬削減議案(12対13)

副市長二人制廃止議案(11対14)

ともに否決

両案とも賛成は吉村・折口のみ

3月議会では、議員個々の政治姿勢を問う、二つの議員提出議案が採決されました。現在の秦野市の厳しい財政事情を反映したもので、4月1日からの下水道使用料金の値上げや、なでしこ会館の廃止など、市民の負担が増加する一方で行政サービスが低下することに鑑み、議員や執行部も自らの身を削るべきである、との考えの下に提案されたものです。

「議員報酬削減議案」は、4月1日から平成27年8月までの今任期中に限り、議員報酬を5%削減するものです。年収で約720万円の議員報酬を36万円ほど削減することを目指したものです。緑水クラブ、日本共産党、無所属クラブが提案し、公明党が賛成したものの、民政会、新政クラブの反対で否決されました。この「議員報酬削減議案」は、前任期中の平成23年4月から8月までの5ヵ月間、議会の全会一致により実施されたものと全く同一内容のものです。財政事情が好転していない以上、この議案に反対する理由は全くありませんでした。反対した二会派が述べた理由は、議会基本条例には議員報酬に関する条文があり、現在議会活性化特別委員会で、そのことを議論しているのだから、今すぐ議員報酬を削減することは拙速であるというものです。しかし5%までの報酬削減は議会活性化特別委員会の議を経ることなく実施できることについては、前回の削減の時に全会派が申し合わせたことであり、このことを理由に持ち出すことは、問題の先送り以外のなにものでもありません。

一方、「副市長二人制廃止議案」は昨年12月議会で可決された「副市長二人制を廃するとともに、部の数を減らすことを求める決議案」を受けて提案されたものです。この決議案可決後の古谷市長の言動から、市長自らが副市長を減員する可能性はないと判断し、議員提案により副市長を1名削減することを求めたものです。民政会、無所属クラブが提案し、異例のことですが、起立による採決ではなく、無記名投票による採決が行われ、11対14で否決されました。2人の副市長の内の1人の任期が満了する折に合わせて、副市長二人制を廃止したほうがよいと考える議員がいたことが否決の原因だと思われます。しかし3月議会の予算審議の過程で、副市長が2人いるためにそれぞれの権限にまたがる案件において、行政の姿勢が一貫しない、無責任な状態が見受けられました。私は、そもそも千人程度の職員しかいない市役所に、2人の副市長が必要とは思いません。なぜならば従業員千人の企業に2人の副社長がいることはありえないからです。副市長二人制は一日も早く廃止すべきだと思います。

以上の二つの議員提出議案に対する各会派の対応はまっぷたつに割れ、しかもねじれました。両案ともに賛成し、一貫した姿勢を示したのは、無所属クラブ(吉村・折口)のみでした。

3月議会代表質問から

市長と職員労組の政策協定

 古谷市長は、2期目の市長選挙直前の平成21年12月、市職員労働組合との間で「政策協定」を交わしました。その内容は、「労働条件に関することは、近隣市との均衡を図った上で市職員労組と協議の上決めること」などを含むものです。「選挙という市民の信託を受ける前に、一利益団体に過ぎない職員労組とこのような政策協定を交すことは不都合ではないか」と質問したところ、「自分の政治家としての指針と考えており、今後もこの政策協定を遵守する」という答弁でした。

社会的居場所作り事業

 市は、生活保護費受給世帯の中学生(36世帯)を対象に、高校進学のための学習支援を行う「社会的居場所作り事業」をこの夏にも開始する予定です。本町のはだの子ども館に、いわば公設の無料の学習塾を設置するという事業です。貧困世帯の子どもが十分な教育を受けられないために、また貧困世帯を形成するという、「負の連鎖を断つ」ことが目的です。しかし生活保護受給世帯は、保護基準を満たす貧困世帯の2割にも満たないという統計があります。従って「負の連鎖を立つ」対象とすべき子どもは少なく見積もっても200名はいるはずなのです。また全市の子供にはだの子ども館に集まって勉強しなさいといってもそれは非現実的ではないでしょうか。こうした観点から、私はもっと対象を拡大して、全市にわたって身近なところに学べる場をつくる方法を提案しました。答弁は、当面1か所から始めたいというものでした。

報徳サミット

 二宮尊徳ゆかりの18市町村が組織する「全国報徳研究市町村協議会」の「全国報徳サミット(第19回)」が、10月19日()、秦野市文化会館で開催されます。二宮尊徳は江戸時代後期の人(小田原の農家の出身)で、自ら各地を回り、あるいは多くの弟子を通じて全国610カ所の藩や郡村の復興を成し遂げました。その中には、旧相馬藩(現在の福島県相馬市、南相馬市、大熊町、浪江町、飯舘村)すなわち、先の東日本大震災と福島第1原発の事故の被災地も含まれています。報徳サミットは、二宮尊徳の思想と実績を学び、各地のまちづくりに生かすとともに、被災地の復興の具体的手立てを考える試みです。すでに被災孤児の学資支援の活動も行っています。ぜひご参加下さい。

3月議会予算審議から

東道自治会館建設の怪

 秦野市は、20年ほど前に立案した、本町四ッ角周辺の再開発事業(シビックマート事業)のために20億円ほどの土地を買いましたが、その土地は塩漬けになっています(駐車場などとして活用)。現在、県が実施している駅前通り(県道705号線)の拡幅二車線化事業を好機として、過去に買ったこれらの土地を生かしたまちづくりが進められようとしています。その矢先、8800万円でまちづくりのために買った土地が、まだまちづくりの青写真もできていないのに、この地域の自治会(東道自治会)の会館建設のために割かれる予算案が出されました。おまけに会館建設費として1200万円の補助金も支出されます。再開発事業が終わった後に、予め買っていた土地の中に不用な土地が出た場合には、それを自治会館用地にすることはかまわないと思いますが、今回は順序が逆です。まちづくりのための地元対策上の措置と思われますが、1億円もの税金の使い方としては不明朗だし、説明不足です。

公設民営の保育園新設を

 秦野市には2月1日現在で、保育園に入園したいにもかかわらず、かなわない幼児が147名いました。早急に保育園の新増設を行わなければなりませんが、少子化が進む中、保育園を運営する民間の社会福祉法人は、新規の建設投資にしり込みしているのが現状です。そこで公設民営の保育園を作る手法が有効になります。その一つの方法は、市が所有している南が丘の保育園用地を活用する方法。もう一つは、渋沢保育園を渋沢幼稚園と統合して子ども園化した後、空いた建物を民間に貸し出す方法です。後の方法は、既に旧広畑保育園(ひろはた子ども園に統合)で実証済みです。保育のニーズにタイムリーに応ずるためには、公設民営の方法しかありません。公設民営方式は、国の運営費補助の観点からも、公立保育園より年間5千万円ほど有利です。私のこの提案に対し、担当部長も前向きの答弁をしてくれました。

なでしこ会館の廃止に当たって

 年間3万数千人の利用者があったなでしこ会館が、3月末で廃止されました。2万数千人の利用者のある曽屋ふれあい会館も25年度末で廃止される予定です。ともに秦野市の少子高齢化をみこした「公共施設再配置計画(秦野市のハコモノ施設を三分の二に削減する)」によるものです。次世代の負担軽減を考えれば、この処置はいたし方のないことですが、しかし当面約6万人の利用者のニーズに答えることも必要です。市でははだの子ども館の利用制限を緩和することや、公民館の利用率を上げることによりこのニーズに対応するとしていますが、私はこれに加えて、最近新築した本町中学校の多目的ルームや特別教室の一般開放を提案しました。本町中の新校舎は全市に先駆けて全教室に空調機が設置されており、公民館と同等の機能を持っています。「公共施設再配置計画」でも、将来は公民館機能を学校に吸収することが提起されており、本町中はそのモデルケースとするべきです。管理上の問題も生じるでしょうが、それは乗り越えるべき不可避のハードルです。

3月議会のその他の議案

市職員の退職金

大卒で60歳の定年まで勤務し、課長職で退職した場合の退職金は、秦野市の場合約2700万円です。この金額が約400万円ほど民間よりも高いということで、国にならって削減する条例案が提出され賛成多数で可決されました。私は反対しました。その理由は、県は今年度からの実施を決めたのに、市はそれを1年先延ばししたからです。これによる支払い総額の差は、秦野市の場合約8千500万円になります。このことの決定過程も、実にリーダーシップに欠けていて、担当の課長が近隣自治体と横の連絡を取りあったものを追認したに過ぎません。市長のリーダーシップは全く発揮されなかったといわざるを得ませんが、このことと先に述べた市職員労組と市長との「政策協定」は、関係があるのではないかと思います。

政治力の差か?――補正予算のアンバランス

 3月議会には、平成24年度秦野市一般会計補正予算(第5号)案が提案されました。この補正予算案は、国の緊急経済対策の補正予算成立を受けて、秦野市分の国庫補助事業が内定したことから、公共事業を内容とする総額1億1730万円の補正予算を組むものです。事業の内容は、学校施設の改修及び秦野駅南部(今泉地区)土地区画整理事業です。この議案に対して、私が近隣他市の補助採択の状況を問う質疑をしたところ、厚木市が(仮称)あつぎ元気館整備事業として約29億円、伊勢原市が校舎の改修事業に約7億円、平塚市がトンネルの点検費用に240万円との答弁がありました。更に、秦野市は補助事業の採択において、厚木市・伊勢原市に遅れをとったのではないかとの私の質疑に対し、それぞれの自治体で計画していた事業が、タイミングよく国の補正予算にかかわる補助採択に合致したか否かというところの違いである、との答弁がありました。緊急経済対策という性格を考えると、このようなアンバランスには納得がいきません。そしてもっと納得がいかなかったのは、このことを気にもしていない市長以下の執行部の態度でした。

無所属クラブを結成

 議員報酬の削減など「リーダーが身を削る政治」の実現と、無所属議員の権利確立を申し合わせ事項として、折口隆二郎議員と二人で、新会派「無所属クラブ」を結成いたしました。これにより、議員報酬を審議する場である各会派代表者会議及び議会活性化特別委員会、無所属議員の権利を審議する場である議会運営委員会のメンバーに、復帰することができました。

愛犬ナビ死去

 8年間生活を共にした、愛犬ナビが3月死去いたしました。血液と肝臓の病気が原因でした。我が家にとっては高額の治療費であったため、身を切られる思いでしたが、ある時点での治療の中止を、私が決断しました。人間には(日本には)、公的な健康保険というものがあるというありがたみを、骨身に感じた経験でした。

posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告