2012年10月01日

議会活動報告 第41号 12年10月1日号

はじめの一歩としての

議員定数2減実現

 懸案だった議員定数の2減(26から24へ)を実施する条例案が、6月議会で可決されました。3年後の次の選挙から実施されます。

 現在の社会経済状況の下では、議員定数の削減は避けて通れない道でした。少子超高齢社会のますますの進行の中で、市民の負担増(たとえば、12月議会には下水道料金の値上げ案が提案される予定)を求めるには、まず政治の場に身をおく者が身を削ることが不可欠です。また、平成19年に定数を28から26に削減しましたが、民意の反映や行政のチェック機能という議会の機能の面で、これといった問題は生じませんでした。

議会活動報告第39号でも述べましたが、議員定数に合理的な正解はありません。私は、選挙ごとに2議席ずつ減らしていくのが良いと考えています。そして、これ以上減らしたら議会の機能が損なわれると思われる時点で、定数を確定するのです。その数がいくつになるかは、今はわかりませんが、県下では、藤沢市が人口41万人に対して36、横須賀市が42万人に対して41となっており、人口1万人に対して議席1というのが一つのめどではないかと思います。そうすると人口17万人の秦野市では、17ということになります。今回の条例改正でもっと減らすべきだったという声もありますが、民主主義の政治においては、ていねいに合意を得る漸進主義が肝要です。

石巻市の震災がれき

 6月議会で以下の一般質問をしました。

 県は、神奈川県西部地震・東海地震・南関東地震の被害想定において、本市の震災がれきの発生量をそれぞれ13万トン、12万トン、333万トンと予想している。伊勢原市と共同で運営している現焼却施設の処理実績は、年間6.5万トンしかない。大地震が起きた場合、本市も岩手・宮城両県の自治体と同様に、震災がれきの広域処理をお願いしなければならなくなると思うがどうか。

 大地震の場合は、本市単独での処理ではなく、県内の市町村、近隣県、首都圏一体の広域処理体制を構築することが重要で、その中で対応することを考えていく。

 首都圏で解決できるという根拠はないと思う。これは相身互いの問題であって、大地震が起きれば本市も東北二県の自治体と同じ状況におかれる。もっと真剣に東北の震災がれきの広域処理に協力すべきと思うがどうか。

 焼却施設周辺住民の理解も必要であり、本市、伊勢原市及び秦野市伊勢原市環境衛生組合の3者で慎重かつ真剣に議論し、判断すべきものと考えている。

意見 これは、将来の我々のため、我々の子孫のために現実の課題として考えなければならない問題であり、他人事ではない。真剣な検討をすべきである。

 7月10日から12日にかけて、岩手県宮古市、同陸前高田市、宮城県石巻市を訪ね、震災がれき処理の現状を視察しました。岩手県の二市については、処理の見通しが立っている様子でしたが、石巻市についてはまだ緒についたばかりで、巨大な震災がれきの山を見るにつけ、広域処理の必要性を痛感しました。表敬訪問した亀山石巻市長(神大卒、元石巻専修大教授)も、それを強く願っておられました。最近の報道によると、環境省は広域処理に参加する自治体は新たに募集しないという政策に転換をしたようですが、石巻市の現状をみるといささか違和感をもちます。しばらくは注目していくべき問題です。

職員給与 あと5%削減

 雇用不安や所得減が市民の切実な心配事になり、膨大な政府債務の存在と急激な少子高齢化により将来の増税・各種公共料金の値上げや行政サービスの低下が確実視される今日、公務員給与の水準に対する関心が高まっています。秦野市職員の平均年収約640万円(42歳平均)は、私も積極的に推進した行政改革の結果、数年前に比べておよそ1割削減され、神奈川県下19市中の最下位にあります。もちろん全国を見渡せば、財政難の自治体などを中心に、この水準以下のところもたくさんあります。しかし職員給与決定の根拠となる地方公務員法には「均衡の原則」というのがあって、近隣自治体と大きな格差のある給与決定は困難です。

 しかし失業の心配がないこと、労働の実態、退職金が多いこと、年金制度においても優遇されていることなどを総合的に考えると、私はもう一段の給与引き下げ(27年度末にあと5%削減)を主張しています。近隣市と広域で対応することや、「職員給与を考える市民会議」のような市民参加の方法を考えることも必要と思います。皆さんの応援が必要です。

生活保護の情報発信を

 高額の所得があると思われる芸能人の母親が生活保護を受けていた問題が、マスコミで大きく報道されたために、生活保護制度に対する市民の不信感が増幅しています。秦野市では、住民登録者数に対する被保護者数の比率が約1パーセント(約1600人)、保護費総額約33億円となっています。全国的にみれば決して高い比率ではなく(全国平均は1.65%)、高齢と疾病を原因とするケースがほとんどですが、自立の可能性がありながらもそうなっていないケースがないわけではありません。この実態が十分に知らされていないことが市民の不信感の一因と思いますので、「秦野市生活保護白書」のようなものを作って情報発信すべきことを指摘しました。また被保護者の自立を促すためには、ケースワーカーによる自立支援活動が重要ですが、秦野市には規定の基準以下の人数しかいませんので、経験と専門知識のあるシルバー世代を非常勤職員に採用する方法等によって増強することを提案しました。

 生活保護制度は憲法で保障された最後のセーフティネットですが、生活保護基準以下の生活をしながらも生活保護を受けずに、自立して暮らしている人が大勢います。民主党政権も制度の改革を打ち出していますが、社会的公平、自立心の涵養、人権の尊重というもろもろの価値が、生活の現場において整合する改革を期待し、提案もしていきたいと思います。

地域福祉の拠点づくり

 かねて懸案だった地域福祉の拠点づくりが鶴巻地区からスタートします。大榎(おおえのき)のそばの空き店舗を活用して、地区社会福祉協議会の事務所とサロン機能を持った拠点「ほっとワークつるまき」が、8月1日オープンしました。ここをモデルに他地区にも整備される予定です。少子超高齢社会における共助の仕組みづくりには、地区社協の強化が欠かせません。大切な第一歩です。

ケアワーカーの待遇改善

 アリストテレスの昔から、ケア(人の世話をする仕事)に対する経済的・社会的評価は低かったといわれています。主に女性の仕事だったということから、男尊女卑の歴史が背景にあるようです。現在でも秦野市の場合、ケアワーカーの平均年収は、障害福祉において約370万円、高齢者介護で約380万円、児童福祉で約400万円と、他の職種に比べて低くなっています。そしてそのためか、ケアワーカーの平均勤続年数は短くなっています(介護職の場合3年8ヶ月)。しかし少子超高齢社会を迎える今日、ケアサービスの質を確保するためにも、こうした現状は改めなければなりません。国もケアワーカーの待遇改善のため若干の措置をとっていますがまったく不十分です。心ある自治体が先鞭をつける必要があります。私はとりあえず常勤ケアワーカー全員に毎月1万円の補助をする制度を提案しています。およそ千人が対象になり、年間1億2千万円かかりますが、財源は先に述べた市職員の給与削減の一部を充当する考えです。

保健福祉センターに郵便局

 保健福祉センターの一階ロビーに緑郵便局を移設させる条例案が6月議会で可決されました。あまり使用されていない場所を活用して、若干の家賃収入(14.4万円/100u・月)を稼ぐとともに、市民の利便を図ることが目的です。市当局は明言しませんが、緑郵便局前の交通問題解消も隠れた目的の一つだと思います。移設された郵便局では、住民票の発行など連絡所の業務もおこなわれます。10月29日オープンの予定。私は事業そのものには基本的に賛成でしたが、賃貸借契約の条件等が郵便局側に有利すぎると思いましたので、条例案の採決では反対しました。今後、市の連絡所のない地域にある郵便局においても、超高齢社会の到来に備える意味で、連絡所業務を実施することが検討されます。高齢化率の高い地区にある下大槻郵便局などが候補にあがっています。


学校・子供は地域が守ろう

釜石の奇跡と学校防災計画

東日本大震災を受けて、全国の学校で学校防災計画作りが始まっています。秦野市でも、教育委員会が「地震災害対応ガイド」を策定して作業がスタートしましたが、私のみるところ、このガイドは現実性の乏しいペーパーブランとの感を否めませんでした。そこで議会に働きかけて、4月23日、「釜石の奇跡」をもたらした防災教育を8年間にわたって指導した群馬大学の片田敏孝教授を招き、防災教育研修会を開催しました。研修会には、教育長をはじめとする教育関係者、防災行政の担当者、大半の議員合わせて約100名が参加しました。私の印象に残った片田教授の教えは次の二点です。

1 地震に備えて学校防災計画というマニュアルを作るにしても、自然災害は人智の及ぶところではないから、必ず想定を超えたことが起きる。従って子供たちには状況を自分で判断する力と習慣をつけさせるべきであること。

2 大地震の時には、教職員にできることは限られている。最も大切なことは子供の安否確認と安全の確保だが、実際はこれも教職員の力だけではできない。従って大地震の時には教職員はこのことに専念すること。また日頃から地域社会にこのことに対する協力体制を作ってもらうことが重要であること。

 東日本大震災の被災地においては、多くの学校が避難所になりましたが、この避難所の運営のために、本来子供に専一しなければならない教職員の手がとられた例が多かったのことです。また、中には避難所運営の不手際の責任を追及される教職員もいたということでした。

 このことを他山の石として、本市では「学校は地域が守るのだ」という意識付けと仕組みを十分に作っておく必要があります。そこで6月の「防災指導者研修会」において、この旨を市長及び教育長の挨拶という形で市内全自治会の役員の皆さんにお願いするとともに、時間をとって教育指導課長から説明してもらいました。今後各学校長から周辺自治会に対して、学校防災計画の説明と協力の要請があると思います。皆さんのご協力をお願いいたします。


posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告