2012年05月25日

議会活動報告 第40号 12年5月25日号

執念みのる 燃えないごみ等収集委託改善へ 後一歩

06年3月議会で初めて質問して以来、通算15回も質問を行い、それでもラチがあかないので、10年1月22日、地方自治法第242条の規定に従い住民監査請求を提起したこの問題が、最終局面を迎えました。3月議会に提出された12年度予算案において、市長は、この契約の段階的是正を打ち出したのです。

 秦野市のごみ等の収集は、市職員の直営収集とともに、行政改革の一環として、委託業者による収集(燃えるごみ等、燃えないごみ等、資源物の三通り)が行われています。この内、燃えないごみ等の収集は、元々し尿の収集委託業者に対し、下水道の普及によりし尿収集量が減少してきたことを補うための、転業補償という形で行われてきました。そのためこの委託業務は競争入札によらず、特権化してしまい、現在ではその委託単価が、他の収集委託の約2倍(トラック1台あたり、月額160万円対80万円)にもなっています。そしてこの特権的契約はもう23年も続いているのです。もしこの契約の是正が行われれば、年額約5千万円の税金の節約になります。

 しかし古谷市長はどういうわけか、この是正に対して消極的でした。それが10年度決算監査における監査委員会の是正を求める意見があり、また幹部職員の大半が是正を支持したこともあり、ついにその方向での予算査定(市の意思決定)がなされました。

しかし5千万円の委託価格差を5年かけて段階的に是正するということは、

1 特命随意契約が5年も続くということで、秦野市の他の長期委託契約期間が、最長3年であることに比べると、依然として特権的扱いが続くこと。

2 これまでの積算単価の差額や、本当に必要な台数以上のトラックを委託していたことなどを考慮すると、委託業者の内部留保は10億円を超えると思われること。

3 委託収集作業の現状は、缶類は1日1回約1tという実績で、おそらく半日仕事であること。粗大ごみは1個10kg換算で1日約20個の収集で、これも同様。不燃ごみや蛍光灯なども収集量は少なく、運送業界で俗に言う「空気を運んでいる」とまではいわずとも、相当楽な仕事であること、

などの問題が残っています。それでも委託業者はいまだに納得せず、交渉は続いています。(3月議会 一般質問)


持ち家手当ては廃止を

 09年8月の人事院勧告を踏まえ、総務省は全国の自治体に「持ち家に係る住居手当(持ち家手当)」の廃止を要請しましたが、産経新聞(2/20)の調査によると、現在も大半の自治体が持ち家手当を継続しているとのことです。また大阪市の橋下市長が就任後、この手当の廃止を打ち出したことが注目されています。これらのことを背景に以下の質問をしました。

 秦野市における現状はどうか。

 月額1万4100円である。

 なぜ人事院勧告に従わないのか。

 これを廃した場合、市職員と民間従業員の給与に逆転差が生じ、職員給与水準全体に及ぼす影響が大きいと判断したからである。神奈川県人事委員会の勧告でも持ち家手当廃止については、問題提起はされているが廃止は勧告されていない。また国の調査では、県下の調査対象企業の半数で持ち家手当が支給されているという結果が出ている。

 労使交渉では、当初、市側から持ち家手当の廃止が提案されているが、交渉の過程で引っ込めている誰の判断か

 市長決済による判断である。

 秦野市職員の年収(平均年齢約42歳)は約640万円であり、人件費総額は約91億円(平成24年度予算ベース)です。職員の43%に支給されている持ち家手当(総額約7700万円)を廃止しても、「給与の逆転」など起きないでしょう。日立にも日産にも持ち家手当などというものはありません。個人の資産形成に税金を使うのかという批判もあります。持ち家手当は直ちに廃止して、浮いた財源は教育・福祉の現場に回すべきです。

 (3月議会 一般質問)

延命治療について

 最近問題になっている延命治療について、産経新聞(2/28、3/1)に載った久坂部羊氏の発言を引用して、以下の質問をしました。

 作家で医師の久坂部羊氏に次のような発言がある。この問題意識を秦野市として政策に転化する必要があると思うがどうか。

「例えば、胃に穴を開けて管で栄養を送る胃ろうや気管支切開で装着する人工呼吸器なども、今は在宅医療で可能です。しかし、そうした延命治療が、意識がなく、無反応で何の感情も示さない終末期の高齢者にとって良いのか、悪いのかが問題になっている。」

「私は家族の喜び、安心のためにあるのが医療だと思っている。しかし、在宅医療の現場で自分が行っている治療が無駄な負担を多くしているのではないかと疑問を持っている。」

「延命治療で長生きさせると苦しむし、尊厳も失う。体が死のうとしているのに、無理やり引き止めるのですから。」

「死が避けられなくなった時、それを可能な限り望ましい形で迎えられるようにする。本人の苦痛や残される家族の悔いを少しでも減らす。(中略)人工呼吸器を装着したり、抗生物質、ステロイド、強心剤などを多量投与したりしません。」

「無駄な延命治療をしないので、費用は余りかからない。日本の国民医療費が36兆円を超えて問題になっています。中でも死の直前の医療費が大きな負担になっている。統計によって異なりますが、国民1人が一生に使う医療費の約半分が死の直前2ケ月に使われるという報告もある。」

 政策に転化することは、なかなか難しいものと考える。    (3月議会 一般質問)

平成24年度予算審査より

副市長二人制の効果

 代表質問に対する答弁で、市長は副市長二人制を正当化するために、具体的事例を示して効果がありと述べましが、証拠を提示した上での説明を求めたところ、明確な答弁がありませんでした。(副市長二人の年間給与3千万円に見合う効果はない、と私は思っています。)


放射性物質の測定

 昨年9月の市民の陳情を受けて、本市では平成24年度から東海大学に委託して、年間約2千検体の給食食材の放射能検査をします。陳情項目には、市民持ち込みの食材の検査も含まれていましたので、配慮するよう求めました。


地域貢献券

 市に協力する形で行われるボランティア活動に参加した市民に、感謝の気持ちを込めて地域貢献券(約3時間のボランティア活動に対して200円相当の券が1枚給付され、総合体育館・大根公園温水プール・弘法の里湯・文化会館などで使用できる)が給付されています。新総合計画の策定に参加した市民会議の皆さんに地域貢献券が給付されたことを受け、他の市関係会議の委員に対する現在の現金給付も、地域貢献券に移行していくことを提案。法的に不可能な部分もあるが、検討するとの答弁でした。


韓国パジュ市英語村中学生派遣事業

 2年目を迎えたこの事業は、日韓ロ三カ国の共同事業に発展して好評ですが、中国などの参加を求めてより多国化を図るとともに、近隣の自治体にも勧めて広域化を図ることを提案しました。検討するとの答弁でした。

防災に女性の視点

 秦野市防災会議(30余名)にわずか2名、防災課にはゼロと、防災に関する行政の過程に女性の視点が不十分と思われますので、防災課に女性職員を1名配置することを提案しました。3.11以降も、防災課は増員がないので増員要求の中で検討したいとの答弁でしたが、この春の人事異動では増員そのものがありませんでした。引き続き実現をめざします。


急傾斜地危険箇所等の周知方法

 この危険箇所等の周知方法は、従来、各地区ごとの防災マップを自治会に依頼して配布することによっていましたが、該当する家を個別訪問して周知する方法に改めるように提案しました。そのようにする旨の答弁がありました。


高規格救急車の発注

 1台約3千万円と高額な救急車のコストダウンを図る方法を、かねてより消防部局に提案してきました。その点を問うと、仕様の標準化等により、平成23年度は21年度に比較して約220万円安い約2720万円で、24年度は更に約50万円安く購入するめどがたったとの答弁がありました。

消費増税と原発について

 今の日本は歴史的な転換点にあると思いますので、政治の一端に携わる者として、少し国政について語りたいと思います。

 まず消費増税についてですが、私は基本的に消費税の増税に賛成です。90兆円を超える予算を組みながら、税収が40兆円余りなどという状態に持続可能性はなく、遠からず日本の国債は信用を失い、暴落(金利は暴騰)することになるでしょう。国家財政も企業も家計も破綻します。消費税率を上げても、経済成長をしなければ税収は増えないという議論があり、また97年の消費税率上げ後の推移をみても、税収は伸びていないですが、今は何よりも国債すなわち国家財政が信用されることが肝心です。それあってこそ、国民は安心して消費し投資して、経済成長も起きるのだと思います。日本は「借金民主主義」(朝日新聞5/20)から脱しなくてはなりません。所得税・相続税などによる高所得者課税の強化、社会保障支出の抑制、インフレターゲット政策の導入などを実施することも必要です。私は福沢諭吉が『学問のすすめ』で述べた、「一身独立して一国独立す」という言葉が好きです。自助・共助・公助の中では、自助が最も大切だと思っています。しかしそれを前提としても、グローバル競争下における超高齢化日本の望ましい国家像は「高福祉高負担国家」であると思います。

 次に原発についてですが、私は脱原発論です。日本が率先して、「脱原発の持続可能な経済モデル」を作ってみせることが絶対に必要だと思います。そうしないと東アジアは原発だらけになってしまい、遠からずそのいくつかで大事故が起こって、人が住めない地域になってしまうでしょう。問題はいつまでに原発を廃止するかということですが、遅くとも10年以内には脱原発を完成すべきだと思います(ちなみにスイスは20年計画)。したがって当面は原発再稼働を行わず、脱原発経済社会に果敢に挑戦してみるべきです。ただ世界情勢の変化から石油・天然ガスなどが逼迫することに備えて、一部原発の再稼働の準備はしておくべきです。

 日本にとって、これまでの20年が失われた20年ならば、今からの10年は挑戦の10年です。


posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告