2012年02月05日

議会活動報告 第39号 12年2月5日号

議員定数削減について

当面2〜4減を


 地方議会の定数削減は全国的なテーマです。世界的に見ても日本の地方議会の定数は多く、また議員報酬も多額です。人口17万人の秦野市の議員定数26は、全国の同規模(人口10〜20万人)の53市の中では、少ない方から9番目です。しかし財政難の折から行政改革の手本を示すべく、定数を2減すべきであるという市民からの陳情が前任期中に提出され、約9ヶ月の審議の後に、昨年の3月議会で賛成多数により採択されました。しかしその後の6月議会において全会一致で可決された「議会基本条例」を根拠に、もう少し時間をかけて慎重にこの問題を審議したいとする決議案が、これまた賛成多数で決議され、結果としていまだに定数削減は実現していません(私の属する会派、民政会は陳情採択の重みを考え、定数2減の議案を提出しましたが否決されました)。そして現在は、今任期開始直後に設置された「議会活性化特別委員会」において、定数削減は最優先課題として位置づけられ、1年をめどに結論を出すとの申し合わせになっています。

  代議制民主主義において、議会の定数は何名ならば民意が十分に反映されるのかについての理論的な正解はないと思います。アメリカでは、秦野市と同規模の市の議員定数は1ケタという例が多いようです。



市民の負担増・サービスの削減を見据えて


 昨年の12月議会では、放課後児童ホーム(学童保育)の利用料の値上げと、重度障害者医療費補助の削減が決定されました。今年の3月議会には介護保険料の値上げ(一号被保険者標準月額4000円から4790円に)が提案されます。市立幼稚園の保育料や下水道料金も遠からず値上げされる見込みです。少子高齢化が進み、ますます財政難がきびしくなる中では、他にも受益者負担が重くなり、行政サービスが低下する事態は避けられません。

  このことを思えば、議員定数の削減は避けては通れない道であると私は考えます。しかし問題は、それならばどこまで削減すればよいのかということになります。私は任期ごとに一定数ずつ削減していって、もうこれ以上削減すると議員が特定の階層、特定の組織または集団からしか選出されず、民意の反映という観点から問題があるという限界まで減らすのが良いと思いますその限界の定数が何人になるかはやってみなければわかりません。そして先の選挙にほとんど競争性がなかったことから、今任期の削減数は2〜4が適当であると思います


震災がれきの広域処理に


協力することを真剣に考えよう


進まぬ震災がれきの広域処理


 東日本大震災は国難であり、復興は国民的課題です。その復興の第一歩となるのが震災がれきの処理であり、従って震災がれきの処理も国民的課題といえます。環境省によると震災がれきは、岩手県に476万トン、宮城県に1569万トンあるとされ、その量は両県の一般廃棄物の年間排出量のそれぞれ11年分と19年分にあたります。これらのがれきは、もちろん県内でも処理されますが、岩手県は57万トン、宮城県は338万トンが県外において広域処理されることを望んでいます。しかし現在、この広域処理に協力しているのは東京都と山形県のみです。放射能による健康被害や風評被害を懸念する住民の反対運動が起こることを自治体が恐れているためです。しかし東京都と山形県は、国の定めたがれきの放射能に関する基準(ストーカ式焼却炉でがれきを焼却する場合、がれき1キロ当たり240ベクレル以下)に従い、現に広域処理に協力しています。また放射能が心配だから広域処理に協力しないという考え方は、被災地ならばそんな心配は無用で、どんどん処理すればよいという考え方につながります。それはあまりにも心無いことではないでしょうか。


神奈川県内の動き


 神奈川県も黒岩知事がリーダーシップを発揮して、放射能については東京よりきびしい基準(がれき1キロ当たり100ベクレル以下)を設定して広域処理に協力しようとしています。知事は、焼却灰を埋める県の最終処分場がある横須賀市及び周辺住民との調整に苦労されているようですが、これがクリアされれば、横浜、川崎、相模原の各市が焼却処理に応じようとしています(費用は国が負担)


秦野市にも協力できる可能性が


 さて、秦野市にもこの3市と同様にがれきの焼却処理に協力できる能力があります。すなわち、今建設中のクリーンセンターが1年後に完成すると、現在運転中の伊勢原工場の180トン焼却工場が空くことになり、民間活力の導入により運転人員の確保さえできれば、数年はがれきの焼却処理に使えると考えられるのです。もちろんそのためにはがれきのきびしい放射能検査が前提ですし、伊勢原工場を共同で運営している秦野、伊勢原の両市及び両議会、そして工場周辺住民の最大限の理解が必要なことはいうまでもありません。


 今のところ両市の当局者はこの可能性を真剣に検討したことはなく、その意志もないようです。しかし私はそうすることがこの国難に際し、被災地の同胞に対して秦野市民はできるだけのことをしようとした、と言えるための義務だと思うのです。 (写真は県のたより2月号より) 


食品放射線量測定器購入等


を求める陳情に「賛成」


 この陳情は昨年9月議会に提出され、休会中の11月16日に私の属する総務常任委員会での審議を経て、12月議会で採決されました。陳情の趣旨は、「福島第1原子力発電所事故後、日本各地で食品の放射線量が問題になっている状況の中、市民の間でも、市内に流通する食品・農畜産物の安全性に対する不安が広がっている」が、責任官庁である神奈川県の能力には限界があるので、「市民、特に放射能に対する感受性の強い子供たちの健康と生命を守るため、」以下のことを求めるというものです。


 陳情事項


1 食品放射線量測定器を購入すること。


2 市内で流通する食品・農畜産物(少なくとも保育園・幼稚園・小学校の給食等で使用される食品)の放射線量を継続的に測定すること。


3 市民に対して、測定した放射線量を迅速に公表すること。


4 市民が持ち寄った食品等の検査に応じられるような体制を検討すること。


私はこの陳情に対し、ほぼ全面的に賛成する立場からの質疑を総務常任委員会で展開しました。しかし本会議における採決は、陳情に全面的に賛成であるという「採択」かどうかを問うものではなく、陳情の趣旨は理解するが賛否は留保するという「趣旨採択」かどうかを問うものであったため、私は賛成しませんでした。「趣旨採択」にもいろいろあり、賛否を明確にし、市当局に行動を促すものもありますが、今回は違いました。全国的に食品の放射線量検査は推進される動向にあり、この陳情の内容は平成24年度予算にほぼ盛り込まれました


秦野市職員の人件費について


 民主党政権が、政権公約で国家公務員の給与を2割削減すると約束したり、東日本大震災の復興財源にするために、2年間に限り7.8%削減する法案を作ったりしたこともあり、公務員の給与に関する市民の関心は高まっています。秦野市の職員給与は、平成22年度において平均(42.3才)で年収約638万円であり、この数字は県下19市中最下位になります(トップとの格差はおよそ100万円)。平成19年度が約709万円、20年度が約698万円、21年度が約677万円ですので、職員の平均年齢が多少下がったこともありますが、この3年間で約10%給与が削減されたことになります。平成22年度の課長級定年退職者5名の「退職金」の平均は約2617万円です。秦野市の職員給与は、年収では大手企業の下位につけ、退職金では上位につけているといえるでしょうか。しかし平成19年の国税庁の調査によると民間の平均年収は約437万円であり、それ以降民間の給与は下がりこそすれ上がることはなかったとすれば、この約638万円という数字もまだまだ高いと思われる市民は多いでしょう。私は16年間の議員活動を通じて、一貫して職員人件費の削減に努力してきました。3人乗車だったごみ収集車を2人乗車に減員し、10%だった地域手当(地域の物価に応じて給料に上乗せされる手当て)を国並みに6%に削減したりしました。超少子高齢社会の対応する行政を実現するためには、一般会計約450億円のうち約100億円を占める人件費の削減は避けて通れない道と信じたからです。いかにして職員の士気を下げずに、なお一層の人件費削減に取り組むか、それが目下の私の最重要課題です


広畑地区(下大槻団地そば)


に高齢者福祉拠点を開設


 広畑地区に、介護事業所(デイサービス等)と、高齢者の見守り・相談・生活支援を行う地域支え合い活動拠点を組み合わせた施設が、4月に開設されます。高齢化が進む下大槻団地(高齢化率40%)を含む広畑地区の高齢者全般に対するワンストップの支援を行うことが目的の施設です。開設される場所は、広畑小入り口の交差点(いこい寿司のあったところ)で、運営は神奈川県社会福祉事業団(湘南老人ホーム)です。この施設はかねて地元が要望していたものです。高齢化の著しい広畑地区の地域福祉力を向上させる拠点となることが期待されますが、そのためには多くの市民の協力も必要です。私も一市民としてできることさせていただきたいと思っています。


クリーンセンター建設工事契約


に関する住民訴訟 一審敗訴


 現在弘法山のふもとに建設中のクリーンセンター(ごみ焼却工場)は、秦野市と伊勢原市により構成される秦野市伊勢原市環境衛生組合が建設請負金額94億3950万円で日立造船株式会社に発注したものです。このときの入札には、他に株式会社タクマとJFEエンジニアリング株式会社が参加しましたが、最も低い入札金額を入れたのはタクマで、日立造船とは5億1870万円の差がありました。この入札は「総合評価落札方式」という方式で、価格とともに「性能」の審査も行い、両者の総合点が最も高いものを落札者にするやり方をとり、最も高い入札金額を入れた日立造船が、価格差を上回る性能の良さがあるということで落札したものです。しかし入札終了後、JFEより「性能の審査の過程に疑念がある」との趣旨の異議申し立てがあり、これが読売新聞で大きく報道されました。不審に思って調べてみると、この性能審査には不合理不適切な点が多々あり、とても納得のいくものではありませんでした。両市の市民は理由もなく5億円以上も高い買い物をさせられてしまったというのが私の結論です。そこで契約締結に待ったをかけるべく、住民監査請求などの手を尽くしましたが甲斐なく、最後の手段として「工事をするのは仕方ないが、誤った判断で5億円もの高い買い物をしたのは組合長の責任だから、組合長はこの差額を組合に弁償すべきである」との住民訴訟(本人訴訟)を起こしました。1年半の公判の後、1月25日に判決が言い渡され、残念ながら敗訴しました。しかし判決には事実誤認や、法解釈の誤りがあり、控訴して戦う所存です。


posted by 吉村慶一 at 00:00| 議会活動報告